青森市内の中学2年の女子生徒(13)が電車にはねられ死亡した事故は、同級生からいじめを受けたことによる自殺だったことが分かった。女子生徒はスマートフォンに『遺書』という書き出しで「ストレスでもう生きて行けそうにないです」「二度といじめたりしないでください」と訴えていた。
遺書にはいじめられたとする複数の生徒の実名も挙げられており、「家族へ、先立つ不孝を許してください。もう無理です」と書かれていた。女生徒が遺書を書き保存状態にしたのは25日(2016年8月)午前8時34分で、その1時間半後に奥羽線北常盤駅の線路上で進入してきた電車にはねられた。この日は2学期の始業式の翌日だった。
9月1日に自殺者集中
青森県では今月19日にも中学1年の男子生徒が「いじめがなければもっと生きていた」という書置きを残して自殺する事件があった。女子生徒が通っていた学校では自殺の原因や背景について調べることにしているが、これほどいじめが問題視されているのに、女子生徒が自殺に至るまでいじめに気づかなかったのか。
内閣府が過去42年間の18歳以下の自殺者を時系列で調査したところ、夏休み明けの9月1日に自殺者が多いことが分かっている。教師や親は夏休み明けの中高生の些細な変化にとくに気配りする必要があると指摘している。
周囲が気づきにくい「SOS」
コメンテーターで現代社会論が専門の津田塾大の萱野稔人教授はこう話した。「いじめられている本人はいじめられていることを認めたくないんです。認めれば余計自分が惨めになる。そのうえでSOSを出す形になるので、シグナルは周囲になかなかわからない。それをちゃんと見るような知識をわれわれが把握し、察知することが大事なのではないでしょうか。いじめにあっている子ともがどんな心理状態に置かれているのか、真剣に考えなければいけない」