スマホは高齢者にも浸透しているが、これを狙った詐欺も増加している。東巣鴨でお年寄りに聞いても、「いきなり高額の請求がきた」「お金取られたという話を聞いた」という人は多い。いまやお年寄りもSNS、twitter、LINEは当たり前。消費者庁の白書によると、70歳以上のSNSによるトラブルの相談件数は、2010年に比べて15年は23倍、60代は13倍だ。
浜田敬子(「アエラ」前編集長)は「実際はもっと多いはずですよ。被害と気づかずに払っている人もいると思います」と指摘する。ITジャーナリストの三上洋さんは「トラブルは操作中に起こる」という。面白い広告があったのでつい押してしまう。キーを押し間違えてあらぬサイトに飛んだら、それが詐欺のサイトというのはままある。それがシニアの弱点だ。
動画スタートさせた途端にタイマー作動「30分以内の登録料払え」
「30分タイマー詐欺」というのがある。動画画面の「スタート」を押した途端にカメラのシャッター音がして、「会員登録完了」のメッセージが出る。同時にタイマーが作動して、「30分以内に電話をかけてください」と出て、「高額の登録料」が表示される。焦って電話をかけたが最後、電話番号が抜き取られて悪用される。このタイマー、放置してゼロになっても何も起きない。
宇賀なつみキャスター「私はパソコンでそれにあいました。知り合いに電話をかけて何とか切り抜けましたけど」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「電話番号を集めるための手段?」
三上「そうです」
何気ないワンクリックが高くこともある。60代の男性に「アダルトサイトの料金が未払いです。和解しますか、裁判で争いますか」と電話がかかってきた。男性は有料サイトには触っていなかったが、「覚えがあった」ために誰にも相談できず結局198万円払ってしまった。
しかしこれで終わらず、同様の「違約金」の請求が続き、3か月で55回3364万円払った。退職金と老後の資金だった。なぜ払い続けてしまったのか。相手が「保険が適用され、払ったお金の9割は戻ります」というのを信用したのだ。むろん嘘っぱちだ。