東京・築地の中央卸売市場の豊洲移転は、予定通り11月7日(2016年)からの開市にするのか、延期するのか。小池百合子都知事は「総合的に判断する」とし、早ければきょう30日(2016年8月)にも方針を明らかにする。「モーニングショー」も問題点を整理した。
移転賛成派の仲卸三代目・生田興克さんは、父親から「お前の代にはもう築地はねえからな」と言われていたという。1935年にできた建物は老朽化がひどく、「だましだまし使ってきた」と話す。雨が降ると場内のいたるところでジャージャーと雨漏りがする。天井のブロックが落ちてけが人も出た。空調もない。修繕に修繕を重ねた末の豊洲移転だ。
専門家も土壌・地下水汚染や耐震性に大きな懸念
築地がもう使えないのなら、さっさと移転すればよさそうなものだが、移転先の豊洲に問題が山積しているのだ。まず土壌汚染。もともと東京ガスの工場跡地で有害物質を含んでいた。土壌の入れ替えなどに858億円をかけ、ベンゼンなどは「環境基準の6割程度」となったと東京都は説明するのだが、専門家は、「ベンゼンが出ていること自体が問題。調査の回数、場所が不十分」という。移転に慎重な業者は「人体実験だ」と納得していない。
地下水にも問題があるのだが、都の調査は豊洲に移転した後だ。しかも、調査結果の公表は年明けになるという。豊洲の汚染について、小池知事は8年前の共著で「不安」と書いていた。
生田さんは「専門家は責任をとってくれるわけじゃない。どっちを信じるかとなれば、店子としては大家さんの都が言うことを信じるしかない。知事に安全宣言を出してくださいとお願いしている」という。
新施設の耐震性にも疑問が出ている。新施設4階の床の抑えコンクリート(表面)の厚さは、構造計算書では1センチだったが図面では15センチになっていた。この変更で重量が1100トンも増え、耐震性に不安が広がっている。「耐震基準をクリアしてないんじゃないか」(1級建築士)という疑問だ。都は「耐震性に問題はない。構造計算書を訂正する」という。話があべこべではないのか。
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