<健さん>
「高倉健を演じ続けた男」芝居はうまくなかったがひたすら深化させた存在感!素顔の意外なダメぶり

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   キャッチコピーに「漫然と生きる男ではなく、一生懸命な男を演じたい」とあるが、漫然とこれまで生きてきた私にはキツイ一発だ。

   マイケル・ダグラス、マーティン・スコセッシ、ジョン・ウー、ヤン・デ・ボン、山田洋次、梅宮辰夫、降旗康男などの名匠・名優が、また身近にいた人たちが「健さん」を語る。

  • (C)2016 Team
    (C)2016 Team "KEN SAN
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撮影には毎朝遅刻

   役者には2つのタイプがあると思う。役に成り切るタイプとどんな役でも自分に引きつけてしまうタイプ。高倉健は後者だ。つまり、何を演っても「高倉健」なのだ。山田洋次は「スターというものは限られたキャラクターしか演じることはできない。高倉はアウトローの役しかできない」と指摘している。

   追悼番組で高倉のデビュー作から遺作までのハイライトを見たが、技術的には少しも進歩していないように私は感じた。高倉は己の「存在感」をひたすら深めていったのだと思う。

   神格化され、この映画はその神格化を深めているのだが、意外な「ダメな部分」も紹介している。寝起きが悪くて、付き人がようやく起こして口の中に歯ブラシを突っ込んでも、そのまままた寝てしまう。そのため、撮影には毎朝遅刻。しかし、高倉が現場に笑顔を見せて入って来るとみな許してしまうのだった。

   八名信夫によると、高倉は共演者、スタッフによく自分が入れたコーヒーをふるまった。ミルクも砂糖も入れないブラックコーヒーで、無理をして飲み干すと「どうだ、うまいだろう」とお代わりを注がれてしまうのだ。これには閉口したと苦笑いする。

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