大学やめたくない!中退に追い込まれる自活学生の困窮・・・バイト掛け持ちで体調崩し卒業もできず

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卒業しなければ就職ままならず・・・残るのは巨額の奨学金返済

   大学を中退する学生は年間8万人といわれる。奨学金を借りて大学を中退する学生の5割以上が、その後、社会人になっても年収200万円以下にとどまるという調査データもある。中退する学生のなかで目立つのが身寄りのない児童養護施設出身者だ。専門知識を身につけてなんとか自立の道を見出そうと頑張ったが、挫折し3人に1人が中退しているという。

   児童養護施設の出身で都内の私大大学3年生の女子学生は、日本の文化を学びたいと進学した。授業料と生活費にかかる月額22万円を工面するため奨学金14万円を借り、残りを1日3か所のアルバイトで頑張った。しかし、体調を崩し休学。それでも生活のためにアルバイト先を辞めることはできなかった。復学するためアルバイトを減らすことにしたが、奨学金を借りられる上限まで増額したため、将来の返済額は1000万円まで膨らんでしまった。

「退学がちらつくんですが、奨学金の返済しか残らないし、絶望のイメージですね。とりあえず、将来のことよりまずは卒業することが夢です」

   ゲスト出演した教育評論家の尾木直樹・法政大教授は驚く。「いやあ、これはひどいですね。毎日のように学生と接している立場なのに、こんなにひどいのかと怒りがわいてきますね。国立大生が1年間もホームレス状態はおかしいし、児童養護施設から進学した人が将来の保証もされない。どう考えてもダメです」

   対策はあるのか。東京大教育研究センターの小林雅之教授は「所得のない人には月額2000円の返済、所得のある人は所得額に応じた返済ができる奨学金制度がこれから始まります。それに給付型の奨学金も検討されています。財源が問題ですが・・・」

   それらの対策も、いま中退の危機にさらされている学生たちに間に合うのか。

モンブラン

NHKクローズアップ現代+(2016年8月24日放送「奨学金破産の衝撃Ⅱ~『中退続出』の危機~」)

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