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なぜ急ぐ?築地市場の豊洲移転・・・自民都連のドン内田茂「関連工事」請負企業とズブズブ

   リオ五輪で一時休戦になっていた小池都知事と都議会のドン・内田茂氏との対決だが、先週から週刊文春は第1位ラウンドは「豊洲移転問題」になると報じている。移転の時期は11月7日に予定されているから、残された時間はわずかである。築地の水産仲卸業者が移転反対を声高にいっているのに、なぜ急ぐのか。週刊文春によれば<「築地市場の敷地内が、環状二号線の道路予定地になっているからです。二号線は晴海の選手村と新国立競技場を結ぶ東京五輪のメインストリート」(都庁幹部)>

   内田氏率いる都議会自民党は是が非でも20年の五輪開催までに開通させたいと、移転予定日は譲れないと強硬姿勢を見せている。この事業には4000億円といわれる巨費が投じられる。週刊文春は内田氏に献金している企業や、後援者による関連工事の受注状況を調査した。すると出てくる出てくる。

   内田氏に献金している中堅ゼネコン、鹿島グループの中核企業、総合防災設備メーカー、後援企業の造園業者。以前から内田氏が役員を務める東光電気工事(千代田区)は、内田氏が就任後から売上高を急増させていて、週刊文春の調べで、都議会議事堂の工事を請け負っていたことも判明したそうだ。

   また、都の事業を何度も請け負っている東幸というビルメンテナンス会社から顧問料や寄付をもらっている。そこも加入している「東京ビルメンテナンス政治連盟」との繋がりも以前から強いという。

   内田氏は週刊文春の取材に対して、「貴誌のご質問は『利権構造』であると断定し、あたかも寄付などが工事の見返りであると決め付けられているようですが、内田のみならずご指摘の会社などの信用や名誉を棄損される記事を掲載することがないようあらかじめ申し添えます」と回答してきた。なかなかドスの利いた文言である。

   小池都知事の側近、若狭勝衆院議員は「小池氏が訴えてきた都民ファーストという観点から言えば、十一月七日に移転することは難しいと思います」と週刊文春に話している。

   どうなるのかこの勝負? と一応期待はさせるが、私を含めた都民の多くは小池氏に過大な期待などしていないと思う。小池氏の発言のほとんどは選挙で受かるための「方便」である。彼女は権力に近づくためにあらゆる手練手管を使ってここまで来たことはよく知られた事実である。そんな人間が内田氏が都議会を牛耳る自民党とやり合えるのか。中曽根元総理を超えたともいわれる安倍政権に楯突けるのか。考えればわかろうというものではないか。

   私はまったく期待をしないで、小池都知事の言動、動向を見ていこうと思っている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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