中学受験をめぐって父親が小学6年生の長男を包丁で刺殺するという不可解な事件が21日(2016年8月)に名古屋であった。逮捕された佐竹憲吾容疑者(48)は自宅マンションで息子の崚太君の胸を包丁で刺し、あわてて自宅近くの病院へ運んだが、傷は肺まで達しており1時間後に死亡が確認された。
佐竹は「受験勉強しないので刺した」と話しているという。
教育熱心で子どもに過剰な期待
佐竹は妻と崚太君の3人暮らしで、事件当時、妻は仕事で外出中だった。同じマンションの住人によると、「すごく仲良くて、出かけるところをよく見ました。ほんとうに良い子で、お母さんもしっかりしていて本当に良いお母さんでした」
崚太君は学力優秀で、毎年、東大に20人ほど合格する私立の中高一貫校に来年は受験する予定だったという。佐竹もこの学校の卒業生で、薬局を営む実家では家業を継いでもらえると期待していたが、薬局を継がずにトラック運転手になった。
佐竹は教育熱心で、崚太君に過剰なまでの期待をかけていたようだ。もともと佐竹は怒りっぽい性格で、近所に人の話では「よく怒られて外へ出されていた」「ベランダに締め出されて泣いている声が聞こえた」という。
評論家の宮崎哲弥は「過剰な期待は父親としてままあること。それより怒りっぽい短気な性格、包丁で子供を刺す異常性の方が犯行に直結していると思う」と話している。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト