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「SMAP解散」40男たちが自分で結婚も独り立ちも決められない不自然!ジャニーズ事務所の損失200億円

   日本中が五輪ボケしているとき、眠りを覚ます大ニュースが流れた。「SMAP解散」である。翌朝の朝日新聞までが一面で扱っていたのにはビックリした。と、ここまで書いてきたが、実はこのニュースの何が「重大」なのか、私にはさっぱりわからない。40前後の中年男たちが解散しようが、独立しようが、勝手にしやがれである。昔なら「懐メロ」に出ていてもおかしくない年齢なのに、未だに独り立ちできていないというほうが問題だろう。

   このニュースを最初にすっぱ抜いたのは日刊サイゾーだったそうだ。8月13日夕方に「SMAP、ついに『解散』」と報じたのだが、他の大手メディアはなりを潜めたままだった。報道に火が付いたのは日付が変わった14日0時50分。ジャニーズ事務所がメディア向けにSMAPは解散しますというFAXを出してからだった。すると先ほどの朝日新聞を含め、スポーツ紙はもちろん、大本営発表の如く1面で大々的に報じたのである。

   合併号明けの週刊文春、週刊新潮も「SMAP解散『僕たちは15年前に壊れていた』」(週刊文春)、「『SMAP』解散の魑魅魍魎」(週刊新潮)と大騒ぎだ。両誌によれば、1月に起きた独立騒動は1月18日のナマ謝罪会見で終わったかに見えたが、木村拓哉と他の4人のメンバーとの確執は収まらなかったという。彼らを見出したジャニー喜多川社長(84)は、必死にメンバーを呼んで面談を行ったが、ジャニーズ事務所を追われたマネージャーの飯島三智氏を母親のように慕っていた香取慎吾などは、自殺を仄めかすほど落ち込み、他の3人も飯島氏と一緒に独立すると最初はいっていたのに裏切ったキムタクへの恨みを減じる力はなかったようである。

   週刊新潮によると、8月9日の夜遅くにSMAPのチーフマネージャーから事務所幹部に「香取がジャニーさんに会いたいといっているので、時間をつくってほしい」と電話が入った。

   翌日の午後4時、キムタクを除く4人がジャニー氏と面談し、香取と草薙が「もう5人でやるつもりはない。解散するべきだ」と切り出したという。キムタクはそのとき、家族とハワイにいた。解散を広報すべく事務所が動き出したと同時に、メリー喜多川副社長と藤島ジュリー景子副社長は「プライベートジェットでハワイに旅立った」(フジテレビ関係者)というから、キムタクの立場がわかろうというものである。

   SMAPのメンバーの不仲説は長い間あったように思うが、週刊文春によれば、15年前に既に壊れていたのだそうだ。そのきっかけはキムタクと工藤静香の「電撃結婚」だったという。<「当時、木村の結婚に誰よりも反対していたのが飯島さんだったのです。『ファンを裏切ってはいけない』『結婚は絶対に許さない』と、もの凄い剣幕で木村に詰め寄っていたそうです。

   それを知った静香は、メリー氏の許可を得ようと、頻繁に連絡を取り、何度も挨拶に訪れた。メリー氏もはじめは結婚に反対していたが、静香の熱意にほだされ、いつしか家族同然に付き合うようになったのです」(女性誌記者)>

   いくら人気絶頂だからといって、いい大人が結婚したいというのを無理矢理引き離そうとした飯島氏のほうが無理筋だと思うのだが、芸能界ではそれが通らないのか。

   解散後もキムタク同様4人も事務所に所属するらしいが、一人でも司会をこなせる中居正広はいいが、他の3人には茨の道のようだ。だが、週刊新潮は飯島氏が7月末、この業界のドンといわれる田辺エージェンシーの田邊昭知社長と会って話し込んでいたところを目撃したと報じている。事務所を離れて1年後の『喪』が明けるとき、飯島氏が何かを仕掛けるという見方も強くあるようだ。

   また、SMAP解散でジャニーズ事務所側も大変な損失を被るそうだ。デビュー25周年でビッグイベントが目白押しだったにも関わらず、ほとんど仕事らしい仕事はしなかった。これまでのツアーでは100万人ぐらいを動員していたから、チケットが1席9500円として95億円の売り上げが消えてしまった。グッズの売り上げは25億円以上。ツアー関連で120億円以上を失い、年間40億円といわれるファンクラブ収入もなくなる。テレビCMやテレビの出演料などを含めると年間200億円前後が消えるということになると、週刊新潮がご丁寧に計算している。

   ジャニーズ事務所グループ全体の売り上げは1000億円といわれるそうだから、その実に5分の1を失うことになるのだ。私にとっては痛くも痒くもないが、ジャニーズ事務所にとっては大きすぎる損失であろう。

   SMAP解散でさしもの栄華を極めたジャニーズ事務所もナベプロのように凋落していくと私は思う。ちょっぴりいい気味である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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