小池百合子・東京都知事はきのう16日(2016年8月)、東京築地市場と移転先の豊洲を視察した。築地では仲買業者の過半数が、豊洲は「使い勝手」の悪いと、11月7日の移転の延期を要望している。
多くの報道陣が詰めかけたが、撮影や取材は市場を俯瞰できる駐車場ビルの屋上からだけで、市場内の同行取材は許されなかった。豊洲でも撮影ポイントが指定され、知事が建物の中に入ると何を視察しているのかわからず、事実上の非公開になった。豊洲市場では基準値以下ながらベンゼンの検出など、きわどい問題も出ている。これらの説明を受けている様子も聞き取れなかった。
指定された場所から遠巻き撮影のみ
視察後、知事は「施設は最高級と言ってもいいんじゃないでしょうか。世界でも稀に見る新しい市場だと思います」と移転に積極的で、「延期はありますか」という質問にも「総合的に考えます。結論は早く出したい。リオへ出発しますが、帰ってから(24日以降に)結論をみなさまにお伝えします」と語る。知事選で小池氏は、築地移転問題について「(移転を納得させるには)一歩立ち止まるべきだ」と訴えていたはずだが・・・。
司会の羽鳥慎一「選挙中に『情報公開』だと言っていた小池さんとはちょっと違うような感じですね」
取材した岡安弥生アナは「撮影場所が限られ、知事がどこで何を見て、誰からどんな説明を受けたかが全然わからないんです。知事は安心を届けたい、情報公開を守るとは言ったのですがねえ」
都庁側が見せたいものを見せただけ
選挙中に玉川徹(テレビ朝日ディレクター)が選挙中に小池氏に直接聞いていた。その際、小池氏は「最大の味方はメディア。情報公開は積極的に」と言っていた。
玉川「都側が見せたいものだけを見せるのは、情報公開じゃないでしょう。それは広報です。この日の姿勢は情報公開とは違う」
浜田敬子(「アエラ」前編集長)「選挙の時と表情が違ったというのが印象的ですね。アリバイ作りの視察なのかなと感じてしまう」
玉川「知事がちゃんと見せなさいといえば誰も逆らえない。そう言わなかったということですよ」
司会の羽鳥慎一羽「結果はどうなるかはともかく、過程が引っかかる」