「跳馬」銅メダル白井健三の新技どこがスゴイの?最後の半ひねりで体の向き真逆

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   リオ五輪できのう15日(2016年8月)行われた体操男子種目別「跳馬」決勝で、「ひねり王子」白井健三選手が新技を決めた。1本目に挑んだ「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」は、3回半の「半」で着地が進行方向を向くところが新しい。着地で一歩踏み出したが、ラインの中に収まっていた。練習でもなかなか成功しない難度の高い技を、本番できちっと決め銅メダルとなった。

   白井は笑顔を見せて満足気にガッツポーズ。観覧席の内村航平選手らチームメイトは一斉に両手を上げて成功をたたえた。「シライ2」という名がつくかもしれない。初出場のオリンピックで新技をぶつけるとはいい度胸だ。

1本目で最高得点

   大会前のインタビューでこう言っていた。「失敗するのが怖くて、みんな1つ低い難度で技をしがちなんですが、試合で上手くなっていくものなので、試合で考えられない力が出た時にいい形が出るんですよね、やっぱり」

   跳馬は2回の試技の平均点を取る。得点は技の難しさを示すDスコア(Difficulty)と技の完成度を示すEスコア(Execution)からなる。Dスコアは難しいほど高得点。Eスコアは演技の乱れを10点満点から細かく減点する。DとEを足し合わせたものが得点になる。

   白井の1本目は全選手最高の15.833だった。2本目はやや難易度が低い跳躍で15.066(D6.4、E9.433)と出た。その時点ではトップだったが、北朝鮮のリ・セグァン選手が2本とも15.6点台を揃え、ロシアのアブリアジン選手にも抜かれて銅メダルになった。

審判員もまだよくわかっていない「シライ2」

   跳馬について、アテネ五輪の金メダリスト塚原直也さんが解説した。スタジオに跳馬の器具が持ち込まれたが、跳馬の台は司会の羽鳥慎一の胸のあたりまである。「私182センチなんですが、こんなに高い」。白井の最高到達点は3.5メートルだそうだ。

   塚原さんが示した減点の目安がすごい。着地して弾むと「0.1」、肩幅以上踏み出すと「0.3以上」、ラインを超えると「さらに0.1」、両足がラインを超えると「0.3」、ラインの外に着地したら「0.5」だ。白井の新技については「オリンピックの緊張の中で試みて、かつ微調整してるのは本当にすごい」と話す。微調整の中身はスローモーションで見てなんとかわかるレベルだ。

   青木理(ジャーナリスト)「スローだからわかりますが、審判はわかってるのかしら」

   塚原は笑いながら言う。「わかってないですね。体験と空中の感覚でなんとか」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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