リオ五輪・体操男子種目別で得意のゆかで4位に終わった白井健三選手がきょう16日未明(日本時間2016年8月)、跳馬で新技の「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」を成功させ銅メダルを獲得した。白井は1本目に新技に挑戦し、15・833の高得点をあげたが、2本平均でルーマニア選手と並んだ。しかし、1本目の得点が上回ったため3位に入った。
「きょうは転倒しても悔いはないと思ってやった」
新技「伸長ユルチェンコ3回半ひねり」はこれまでの「シライ/キムヒフン」にさらに半回転加えたもので、バク転から後ろ向きに踏み切って体を3回半ひねる。練習で初めて成功したのは2年前だったが、本番の試合では成功したことはなかった。それをオリンピックの大舞台で挑戦した。
白井は「きょうは転倒しても悔いはないと思って、新技をやろうと思っていました。決断したのがよかった。決勝で演技できたことが本当にうれしかったです」と興奮気味に話した。
応援していた先輩の内村航平選手も「あんなにいいのは初めて見た。練習でも立てるか立てないかのところだったので、僕たちも興奮しました。これから健三の跳馬はますます注目されると思います」と喜んでいた。
シライ2と命名
司会役の笠井信輔がゲストの森末真二氏(ロス五輪・鉄棒金メダリスト)に聞く。「森末さんは、メダルは難しいと思っていたんですって」
森末「ええ、取れると思っていませんでした。跳馬はもうひとつ別の跳び方をしないといけません。白井選手は1本はすごい技を持っていますが、2本目の技がないので苦しいかなと見ていました。2本目は最低の技だったけど、1本目の新技で最高得点を取ったので銅メダルになりました。これから銀、金を取るためには2本目にもっとすごい技を持ってほしいですね」
「伸長ユルフチェンコ3回半ひねり」は「シライ2」と命名される見通しだ。