「築地市場移転」あと3か月・・・行きたくないと仲卸業者「使い勝手悪いし汚染不安」

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   おととい10日(2016年8月)、東京都庁の廊下で、築地市場の移転に慎重な「築地市場有志の会」のメンバーが都職員とにらみ合っていた。「知事に話はいってるんですか」「要望書は私どもでお預かりします」「何処です」「中央市場です」「中央市場はダメ」

   どういう意味かというと、2月にグループが出した公開質問状が当時の舛添知事に渡らず、中央市場で握りつぶされていたのだ。小池知事にはそうはさせまいとする。築地市場の豊洲移転問題は知事選でも争点の一つで、小池氏は慎重派に耳を傾け、「移転の再検討」を口にしていた。

ターレ運搬の重みに耐えられない床強度

   豊洲への移転は今年11月7日と決まっているが、新市場の使い勝手を巡って市場関係者は割れている。水産仲卸業者586社のうち319社が移転スケジュールの見直しを求めている。「不安なことがいっぱい出てきた」「仲買い個々の気持ちを確認していただきたい」

   小池知事は5日の会見で、「都の話は聞いたので、今度はステークホルダー(利害関係社)の話を聞く」と言っていた。きょう12日午後、移転推進派と慎重派双方と面会して話を聞く。

   豊洲市場は東京ガスの工場跡地だ。有害物質による土壌汚染の問題があり、大規模な土壌の入れ替えなどを行ってこの問題はクリアしたとしている。しかし、いま問題になっているのは建物の使い勝手だ。

   ひとつはターレット・トラック(通称ターレ)と呼ばれる築地市場名物の運搬車。自重が1トン、積み荷が1トンあるのだが、新市場の床の強度は700キロ以下の設計だ。これでは床が壊れるという懸念は当然である。ターレは2000台ある。「これが走り回れば豊洲の床はすぐガタガタになる。50年なんて保たないよ」

間口が狭くてマグロ解体の長包丁使えない!?

   もうひとつは水の問題だ。築地では水道水の他に、濾過・殺菌した海水も使って水産物から床の清掃までを行っている。海水は月額1万3000円で使い放題。それが豊洲では建物が傷むという理由で海水禁止になった。さらに、小割のスペースの間口が狭くて商売にならないという。長い包丁を使って行うマグロの解体ができないというのは確かに深刻だ。

   いったい誰が設計したのか。使う人の話を全然聞かずに図面を引いて、実際作っちゃったというわけだ。

   野上慎平アナ「わかってないことがあるというのが慎重派の声です」

   司会の羽鳥慎一「実際に使わない人が話を進めていって、使う人がちょっと待ってくれと言ってるんです」

   野上「床が50年保たないと言っています」

   羽鳥「あれ、かさ上げしてるんですから、抜けるかも」

   玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「1・8メートルかさ上げしたのは、下に配管を通すとかいうんですが、仲卸の人の話だと、やはり土壌の汚染があって、それが出てきた時の緩衝だと都側が言っていたというんです。本音がその辺にありそう」

   小池知事はどう判断するか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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