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小泉純一郎元首相の「3・11トモダチ作戦被曝米兵支援」広告掲載断った読売新聞

   週刊現代で小泉純一郎元総理がお得意の「反原発」について饒舌を振るっている。小泉元総理は自らが発起人となって、先月設立した「トモダチ作戦被害者支援基金」への寄付を誌面を通じて訴えたいという。

   日本ではあまり知られていないが、東日本大震災のときの米軍のトモダチ作戦で3・11の被災地支援に参加した米兵のうち約400人が、その後、被曝によると思われる健康被害で除隊を強いられ、7人が白血病などで亡くなっている。小泉元総理はこう話す。

   <「日本のために全力を尽くしてくれた彼らを、日本人として見過ごすことはできない。政府が動かないのなら、われわれがやる。(中略)原発事故当時は海に向かって風が吹くことが多かったから、放射性のプルーム(雲)が、停泊していた空母を直撃した。しかも空母では海水を濾過し、真水にして使うそうですが、放射性物質までは取り除けない。シャワーや料理に使う水もすべて汚染されていたから、兵士たちは原発事故の最前線で、内部被曝と外部被曝のダブルパンチを受けたのです。

   彼らは帰国後、鼻血が出たり、下血したり、腫瘍ができたり、原因不明の体調不良に襲われた。

   ところが、海軍病院の医者に診てもらっても『放射能が原因とは言い切れない』と因果関係を認めてもらえませんでした。(中略)

   東電は『原発事故と体調不良に因果関係があるとは断定できない』と賠償を拒否しています。アメリカの裁判は日本と違って、原告も被告も徹底的に情報開示をしないといけませんから、『トモダチ作戦』に加わった兵士の本当の被曝線量など、表に出したくない情報が出てきてしまう。それだけは何としても避けたいのでしょう。

   日本政府も沈黙しています。

   実は訪米前に、外務省の北米局長に会ってこの話をしたのですが、『政府として法的には何もできない』と言っていました。

   基金を設立した時も一悶着ありました。信頼できる知人に『発起人になってくれないか』と頼んで回ったんですが、なかなか受けてくれない。

   ある財界人は『私の一存では決められない。会社に相談してみる』と持ち帰ってくれたけど、結局NG。だから、もう少数精鋭でやろうと思ったんです」>

   新聞広告は東京新聞だけでなく読売新聞にも申請していたそうだが、読売は『裁判で係争中の事案は掲載できない』と断ってきたそうだ。<「理解できませんよ。だって、現に健康被害を受けている人、病に苦しんでいる人がいるわけだから。裁判でどっちが勝とうが負けようが、困っている人を助けなければいけないことに変わりはないでしょう」>

   安倍政権と原発を擁護している読売新聞のホンネが出たということであろう。困った新聞だ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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