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「週刊現代」「週刊ポスト」患者を混乱させるだけでいいのか?製薬業界にこそ切り込め

   週刊ポストには2016年夏「人気女性タレントのCMギャラ・ランキング」が載っている。安室奈美恵が1位で1億円。並んで吉永小百合も1億円。AKB48はグループセット価格だが9000万~1億円。松嶋菜々子も同じ。浜崎あゆみが意外に稼いでいて8000万~9000万円。私が小百合の次に好きな綾瀬はるかは13位で6000万~7000万円。意外に少ないな。

   今週は週刊現代、週刊ポストともに合併号である。朝刊の両誌の新聞広告を見たが、正直、週刊現代を買うのはよそうと思った。今週も「100人の医者に聞きました」と、同じような内容の特集が延々と続いている。以前にも書いたが、これでは「壮快」や「安心」と同じ健康雑誌ではないか。高齢の読者が多いから関心が健康や、週刊ポストのように苦しくない死に方やお墓のことにあるのはわかる。

   他誌も同じような企画をはじめているから部数的にはいいのであろう。だが、こうした健康雑誌まがいのことばかりやっていて、本来の週刊誌がやらなければいけないことを忘れてはいないか。

   とまあ、お小言はここまでにしておこう。「歴史が変わった」かどうかは知らないが、週刊現代をもって医者に駆け込み、自分が飲んでいる薬は大丈夫か、前の医者に手術しろといわれたがやめたほうがいいだろうか、という問い合わせが多く、医者の世界では大きな話題と問題になっているようだ。

   週刊現代は特集の中でこう自画自賛している。<これまで9週にわたって、本誌は薬と手術にひそむ知られざるリスクを詳報してきた。どのマスコミも報じなかった、医療の「タブー」を知った患者が病院に殺到し、医療現場が着実に変わりつつある。患者の要望に応じて不要な薬を減らしたり、デメリットの大きな手術を取り止める医者が出始めたのだ。(中略)

   タブーに切り込むことには反発が伴う。しかし確実に、時代は変わり始めた。ときには患者の側から、「本当にこの薬を飲み続けるべきか」、「本当に手術を受けなければ治らないのか」を医師に問いかけてみるべきだ。心ある医師なら、必ずや耳を傾けるはずである>

   必ず薬や手術にはメリットとデメリットがある。また「原発ムラ」と同じように製薬会社が中心となって医者や役人とつるんでつくっている「薬ムラ」が、薬漬け医療を生み出している元凶である。タブーに挑むというなら、ここへ切り込まなくてはいけないこと、いうまでもない。患者を混乱させるだけでは、まだまだ道半ばだと自覚すべきであろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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