天皇陛下はきのう8日(2016年8月)、「生前退位」についてのお気持ちをビデオメッセージで公表された。「すでに80歳を越え次第に体の衰えを考慮すると、これまでのように全身全霊をもって象徴のお務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じている」と述べられ、「高齢になった天皇のあり方」についての考えを示された。
リオ五輪にいる小倉智昭に代わる司会役の笠井信輔(ニュースデスク)は「将来的には皇太子さまに天皇の位を譲りたいというお気持ちを強くにじませたものでした」と取り上げた。
皇室制度ヒアリングメンバー「国民は判断をゆだねられた」
陛下は「終焉に当たっては葬儀に関連する行事に関わる人たちや家族は厳しい状況に置かれる。こうした事態を避けることはできないか」と語りかけ、結びに「これからも象徴天皇の務めが途切ることなく安定的に続けていくことを念じ、国民の理解を得られることを願う」と述べられた。
皇室制度に関する有識者ヒアリングのメンバーを務めていた東京大学名誉教授の山内昌之氏は「国民の側において理解することを望みます、ということでお言葉を締めくくりにされました。つまり、主権は国民にある、すなわち私たちに考え方や判断が委ねられたということです」と話す。
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一ツ石| 似顔絵 池田マコト