司会の羽鳥慎一が「あまり、メダル、メダルといってはいけないんですが」と言いながら、リオ五輪3日目までのメダルを数えることから始まった。最初が柔道の女子48キロ級の近藤亜美の銅、52キロ級中村美里が銅、男子60キロ級の高藤直寿の銅、66キロ級の海老沼匡が銅。さらにウエイトリフティング女子48キロ級の三宅宏美が銅。そして競泳では、男子400メートル個人メドレーで、萩野公介が金、瀬戸大也が銅で、金が1、銅が6となった。
逆転の銅にバーベルに抱きつき「ロンドンとはまた違った思い」
柔道陣には苦い滑り出しだった。井上康生監督の戦略は、緒戦の軽量級で金メダルを並べて、重量級に勢いをつけるというものだった。4年前のロンドン五輪では金メダルゼロという屈辱を味わった、その雪辱を期したがつまずいた。銅メダルの選手たちの表情は一様に暗い。中村は「金が欲しかった」とだけ。海老沼にも笑顔はなかった。背負い投げ1本で3位決定戦を制したが、「無様な試合でしたけど、メダルだけはとって帰ろうと思った」という姿が痛々しい。
これに比べるのはおかしいが、ウエイトリフティングの三宅宏美選手の銅は輝いていた。年齢も30歳。腰痛に悩まされていた。父の三宅義行監督がついてはいても音をあげることがあったらしい。それを母がメールで励ましたのだという。試技でも、スナッチ81キロを2度失敗していた。3本目に踏ん張りで上げきった。後半のジャーク107キロも3回目。「これを上げれば3位です」というアナの声。そして上げた。逆転の銅メダルだった。飛び上がって喜ぶ三宅はバーベルを抱いて見せた。
「すごくうれしいです。ロンドンとはまた違った思いがあって、嬉しかった」と明るく笑う。