たちまち飽きられるさ「ポケモンGO」作られたブームは消えるのも早い
「ポケモンGO」なるゲームが流行っているが、私はこのゲームはいかがわしいと思っている。週刊現代を読んでその感を強くした。このゲームはまったく新しいビジネスモデルになる可能性が高いといわれる。経営コンサルタントの鈴木貴博氏は企業から巨額の広告料を得られるのが大きいと話す。
<「ポケモンGOの凄みはユーザーを特定の場所に誘引できる『広告機能』を持ち合わせていることで、これがおカネを生む。具体的に説明すると、ゲーム内では『ポケストップ』と呼ばれる、ポケモンを捕まえるためのアイテムをゲットする場所があります。
ユーザーはゲームを進める中で、このポケストップに立ち寄る必要がある。おのずとそこには、ユーザーが大挙して押し寄せます」>
そのボケストップの場所をどこに指定するかは、ゲーム制作会社のさじ加減ひとつで決められるという。要は、ボケストップになれば集客できるから、企業から広告費を取るビジネスが成立するというわけだ。何のことはない、制作者に操られてゲーマーが右往左往しているだけではないか。
世界の広告市場は50兆円規模なので、その1割でも5兆円の売り上げが見込めるというのだが、ポケモンGOのビジネスモデルはそこにとどまらないそうだ。スマホジャーナリスト(そんなのがいるのか?)の石川温氏がこう話す。
<「どういう人がどういう街を歩いてゲームをしているか。今後はそうしたビッグデータがどんどん溜まっていくので、このデータを使った新規ビジネスができる。商業施設などを運営する企業へのマーケティング支援や、販促イベントをやりたい企業へのコンサルティング事業もやるでしょう」>
こうして得られるつもりの莫大な利益は誰の懐に入るのか。楽天証券経済研究所の今中能夫アナリストは、こう試算する。<「今期の課金売上高を1000億~1300億円と仮定すれば、まずその3割はグーグルとアップルに決済手数料として入ります。残りをポケモンGOを開発した米ナイアンティックと株式会社ポケモンの2社で分け合う。
任天堂はポケモンの利益のうち出資分の32%を収益計上する形で、それは金額にして今期60億~80億円ほどになる」>
経済アナリストの森永卓郎氏も<「長期的な経済効果は、10兆円では済まない。政府の経済対策並の効果で、その恩恵は回り回ってわれわれの賃金に反映される」>というのだが、ホントかいな。
アメリカにあるホロコースト記念博物館や、ポーランドのアウシュビッツ・ビルケナウ博物館をうろつくゲーマーが増えてひんしゅくを買っている。日本でも長崎市が平和祈念像が立つ平和公園にポケモンが現れるよう設定されているのは不適切だとして、削除するよう要請した。
たかがゲームとはいわないが、意図的に作り出されたものでは、一時的に大騒ぎするが、消えるのも早いと思う。その上、ゲームをやっていてわれを忘れ、痴漢に遭う女性や、車にはねられる人間も出ている。社会の不安を煽るようなものは、結局、淘汰されていくと思うのだが、私の偏見か。