小池百合子・新東京都知事がけさ2日(2016年8月)朝、初登庁した。都庁玄関前で1000人ほどの職員と音楽隊が出迎えるなか、白いワゴン車から降りたった小池知事は白のスーツ姿で、最前列に並ぶ幹部一人ひとりと握手を交わした。贈られた花束のラッピングも「ゆりこグリーン」。「小池劇場」の始まりだ。
都議会牽制のカード
知事選で惨敗した自民党からは早くもイヤミが聞こえてくる。東京五輪組織委の森喜朗会長は「最大の課題はオリンピック。都と都知事と都議会がしっかり協力してもらわないと。小池さんも利口な方ですからわかっていると思う」といい、「うまくやれるか」ときかれ「僕が? 小池さん次第だね」と相変わらず偉そうだ。
麻生太郎副総理は「都連も割れて、結果があのザマでしたから、『割れたらこうなる』といういい教訓だった」と危機感を募らせる。『小池新党』を警戒しているのだ。
実際、選挙で小池氏を応援した音喜多駿・都議(かがやけT)は「可能性はゼロではない」という。名古屋市長の河村たかし氏(減税日本)は「仲間を作らんといかん。日本新党パート2という感じで」という。小池氏とは日本新党で一緒に活動し、知事選の応援にも駆け付けた。
テレビ朝日与党担当の中丸徹記者は「新党の話は小池氏にはいいカードになります。議会と対立して都民との約束が果たせないのなら、新党がありますよというわけです」
世論味方につけるメディア戦略
司会の羽鳥慎一「大きな勢力になりかねないですよね」
青木理(ジャーナリスト)「既存政党に対する不信感がある意味では今回の結果を出したわけですが、大阪維新もそうだが、自民党の補完勢力であって、どこまで意味があるのか。見ている分には面白いが、政策はどうか。あまりワクワクしないですよ」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「小池さんは攻撃。選挙中も『メディアが最大の味方』と言っていました。橋本さんでも河村さんでも同じことで、世論を味方につけるメディア戦略だから、当選したからといっておとなしくはならないのではないですか」
青木「気をつけないといけないのは、一種の劇場型になることでしょう」
しかし、与党を持たない以上、それ以外に手はあるまい。劇場型も立派な戦略だ。乗るか乗らないかはメディアの見識だろう。