東京都知事選「直前情報」三つ巴に都民の判断は?カギは無党派層の投票率

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   あす31日(2016年)に投開票の東京都知事選は過去最多の21人が立候補した。有力候補は3人で、野党統一候補の鳥越俊太郎は安倍政権の安保政策ノーを掲げて、「東京は平和と憲法を守る旗を掲げる。そういう首都だ」と説く。ジャーナリストらしく現場主義をアピールし、集会や介護施設の訪問など住民との対話を重視している。

   がんと闘った実績をひっさげて、後半戦は街頭演説も増やした。語り口がテレビ解説風なのは変わらず、笑顔も少ないのだが・・・。

 

   自民党と公明党が推薦している増田寛也は「都政の混乱に終止符をうつ」「知事になって何をするのかだ」と、実務能力と政権与党とのパイプを強調する。他候補に比べ知名度がイマイチだからとたすきの文字も大きく、「マスダ」「マスダ」と連呼する選挙戦術だ。待機児童問題では「知事に就任したら1か月以内に緊急プログラム」「補正予算を組んで」など具体的だ。菅義偉官房長官らが乗り込んで「政府と連携の取れる知事が必要だ」と強調する。都議団もぴったりとついて、地域の関心の高いテーマを伝えると、街頭演説ではそれが飛び出す。典型的な政党選挙だ。

 

   小池百合子の戦い方ははっきり違う。「一部の人がどこかで何かを決めている不快さ」と自民党都議団を攻撃して、「透明化」「東京大改革」を訴える。環境相の実績から環境問題にも切り込む。世代、性別を超えて広く支持を広げようと、浅草・商店街の女性たちから10代の学生たちまで対話を続け、街頭演説の演出は「百合子グリーン」だ。「緑色のものを身につけて」と訴えると、なかには買ったばかりのほうれん草を掲げる人もいた。「信じられない」と手応えをいう。

 

   NHKらしく、他にも、山口敏夫・元労相、ジャーナリストの上杉隆、元加西市長の中川暢三もちょこっと取り上げた。あとは「その他ご覧の方々が立候補しています」

前回46・14%は過去3番目の低投票率・・・関心は政策より個性、イメージ

   どう主張したところで、都知事にできること、やらなければならないことは限られている。待機児童、介護、防災、東京五輪にどう取り組むかは似たり寄ったりだ。都民はむしろ候補者の個性、イメージ、期待に関心がある。放送中に寄せられた視聴者の声を見ると、「もっと政策論争を」「お金にクリーンな人」「都政を当たり前にできる人」「4年間スキャンダルなしに」と、ごく当たり前を求めていることがわかる。

 

   選挙を担当するNHKの笠松弘治記者は「注目は投票率」という。前回平成26年の選挙は46・14%と過去3番目の低さだった。570万人もが棄権したのだ。カネのスキャンダルの後だったからかもしれないが、今度もまたスキャンダルの後だ。状況は大いに違うと思いたい。

 

   何しろ数が多いのだから、都民がちょっとその気になっただけで大きく変わる。その面白さに、およそ無頓着なのも東京都民だ。ある意味、日本一贅沢なのかもしれない。

   *NHKクローズアップ現代+(2016年7月28日放送「誰が首都のリーダーに?~密着・東京都知事選~」)

文   ヤンヤン
姉妹サイト