天皇の料理番ならぬ総理の料理番だという。原作は「週刊コミックパンチ」(新潮社)に連載された「グ・ラ・メ!~大宰相の料理人」(原作:西村ミツル/作画:大崎充)で、原作の副題は「大宰相の」なのに、わざわざ「総理の」に変更したのは、やはり昨年の人気ドラマ「天皇の料理番」を意識したからか。
もっとも、あちらが感動の大作ドラマだったのに対して、こちらは肩の凝らない娯楽ドラマ。その分、気負わず楽しめそうだ。
パリでも日本でも認められなかった天才女性シェフ
剛力彩芽主演で、吉田茂以来70年ぶりに首相官邸料理人が復活されることになり、天才女性シェフの一木くるみが起用され、そこからストーリーが始まる。
パリのグラン・メゾンに勤め、2年で総料理長の片腕に抜擢されるが、上下関係が厳しく、閉鎖的な男社会の中では受け入れられず、活躍することなく帰国した。日本でも料理人として使ってくれるところはなく、高級料亭の仲居として働いていた。
あるとき、首相と会食していた政界の実力者・大口潤(団次朗))が出された料理にまったく手を付けず、たまたまくるみが出した「夏野菜の炊合せ」を口にしたとたんに食欲が湧き、料理を食べ始めた。これを見た総理秘書官がくるみに料理について聞くと、大口が歯痛のようだったので、昔は鎮痛剤として使われていた香辛料グローブをかけたと説明し、それをきっかけに総理の料理人として白羽の矢が立った。
官邸料理人になってからは、官邸大食堂総料理長・清沢晴樹との確執が物語の軸になるようだ。