落語家の桂歌丸(79)は腸閉塞治療のため入院したと、各メディアに自筆のファクスで伝えた。26日(2016年7月)に新橋演舞場での「芸歴65周年記念落語会」に出演後に入院したという。
関係者によると、歌丸は今月半ばから疲れや体調不良を訴え、食事も取れず、嘔吐などがあったため入院となったという。昨年もこの時期に腸閉塞で入院している。ファクスには「すぐ戻ってまいります」とあった。
円楽「医者も生かしとこうと必死なんですよ」。歌丸「生かしときゃ儲かる」
26日の落語会の映像があった。「『笑点』は卒業いたしましたが、噺家を卒業したわけではございませんで、息の続く限り落語家として、桂歌丸、見ていていただきたいと思います」といつもの口調だ。
三遊亭円楽らも出てきて、「死ねませんね」というと、「え、死にませんよ。私が死ぬ時はあなたを道連れに連れて行くから」。三遊亭小遊三は「歌丸師匠の名前をどこか近郊で見たらば、駆けつけてください。最後の高座かもしれません。いえ、その土地の今年最後のです」
「あさチャン!」の藤森祥平アナは客席でこれを見ていたが、「入院するほど体調が悪くなっていることをまったく感じさせない語り口だった」という。「あさチャン!」は1か月前の6月29日、東京・立川市であった円楽との「二人会」を取材していた。歌丸は車椅子で楽屋入りし、出番ギリギリまで酸素吸入器で呼吸を整えていた。
楽屋では健康話で盛り上がり。検査の苦しさを訴える歌丸に、円楽は「医者も生かしとこうと必死なんですよ」「かな、生かしときゃ儲かると思ってんだな」「病院の常連だから」と大笑い。「月に何軒?」「4軒。おかげさまで」。通院している病院のことだ。
「落語の演目は3000。私がやってるのはまだほんの一部」
歌丸は横浜市生まれ。中学3年の15歳で噺家の世界に入り、故立川談志に見出されて昭和41年スタートの「笑点」に参加した。円楽さんは「46年前からですから、もう、『あ・うん』ですよ」という。「きちんと落語をやって、後輩の指導をして、先達として光輝いていらっしゃる。宝だね、うん」
「あさチャン!」に「もうやめたいと思うことはないのですか」と聞かれ、「とんでもない話。落語の演目は東西合わせて3000くらいあるでしょ。その中のほんのこれっぽっちですよ、やってるのは。いくらでもできる。後継者を残していかなくちゃなんない」と熱弁をふるった。今も稽古の日々だという。「生涯落語家だもん。何やるんですか、他に」
司会の夏目三久「病と闘ってるなんて、(高座では)みじんも感じさせませんよね」
藤森「抜群の存在感でした」
夏目「力の源は、笑ってくれるお客さんなんでしょうね」
パトリック・ハーラン(タレント)「『笑点』に出させてもらった時、緊張してたら、『頑張れよ』と優しく声をかけてくださった。舞台は元気をもらう場所なんですね」
来月(2016年8月)11日の公演には復帰するつもりだという。医者より体にいいらしい。