茨城県土浦市を流れる桜川沿いの住民がシラサギの被害に悩まされている。大量の糞で車は汚れ、夜は不気味な鳴き声、一帯には悪臭が立ち込めている。ここにシラサギが増え始めたのは約10年前からで、現在は4000羽にもなる。なぜ住みかにするようになったのか。シラサギの生態を研究する筑波大の徳永幸彦准教授はこう説明する。
「ここから南下していくと、すぐそこにエサが豊富な霞ケ浦があります。さらに、住宅街からはちょっと離れた河川敷で、人との距離も取りやすいため、住み着いてしまったんだと思います」
鳥獣保護法で駆除できず
駆除しようにも、野生の鳥類などを守る鳥獣保護法によって、許可なく捕獲したり殺したりできないのだという。大竹真リポーターが出かけて行った。「地元ではシラサギが宿る木を伐採してみてはどうか、マイクなどで音を出して驚かす方法も考えたそうなんです。しかし、シラサギには巣がなくなると近隣の木に移る習性があるそうで、仮に現在の場所から追い出したとしても、別の河川敷、最悪の場合、住宅街に棲みついてしまうため、打つ手がないというのが現状だそうです」