世界反ドーピング機関(WADA)は18日(2016年7月)、ロシアが国ぐるみでドーピングを行っていたと認定し、リオ五輪・パラリンピックからロシアの全選手を排除すべきだと国際オリンピック委員会(IOC)に勧告した。すべてのロシア選手が出場できない可能性も出てきたわけで、ロシアはいったいどんな不正をしていたのか。
プーチン大統領が元長官の諜報機関が検体すり替え
ロシアが行っていたのは選手たちの検体のすり替えだ。検体を保管するWADA公認の部屋の「ネズミの穴」と呼ばれた穴を使って、ドーピングしたロシア選手の尿サンプルを他の部屋に移動し、正常な尿サンプルとすり替えて元に戻していたのだ。
すり替え工作を行っていたのはプーチン大統領がかつて長官を務めたロシアの諜報機関KGBの後継組織の「FSB(連邦保安局)」だった。尿サンプルの検査容器は蓋を閉めたら開けられない作りになっているが、FSBは蓋を開ける方法を開発していたという。プーチン大統領は五輪・パラリンピック出場失格を「スポーツへの政治介入だ」と国ぐるみのドーピング不正を否定している。
司会の小倉智昭「(ロシアが排除されれば)日本の金メダル14個の目標が20個に手が届くかもしれないって言われていますが、ロシアの存在って大きいんですよ」
すでに出場禁止が決まっているロシア陸上選手67人はスポーツ仲裁裁判所に異議を申し立てており、その裁定が来週21日に出るのを参考に、IOCは最終結論を出すという。バッハIOC会長は「厳しい制裁を科すことも辞さない」としている。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト