31日(2016年7月)の投開票まであと11日に迫った東京都知事選がヒートアップしている。序盤の情勢調査でリードが伝えられた小池百合子、これを追う鳥越俊太郎と増田寛也という展開だが、3人が出演したきのう19日のフジテレビ系「バイキング」では、鳥越が「病み上がり」と揶揄した小池に噛みついた。
「がんをやった人は使いものにならないというレッテルを張った。差別だ」と抗議すると、小池は「よく覚えていない。選挙中の行き過ぎた発言」などと逃げる。ちゃんと映像が残っていた。小池は17日の街頭演説で「勝てるからと、政策も何にもない人、病み上がりの人を連れて来ればいいというものではないんです」としゃべっていた。
鳥越は記者に「腹の底から怒りを覚えた」という。小池は「あまり覚えてない。そういう思いで言ったのではなく、それでも元気にやってらっしゃるということを強調したかった」と弁解するが、苦しい。
増田は知名度の低さ挽回作戦!ビラは大書した名前だけ
自民党の推薦を得られず、「孤軍奮闘」を強調する小池は、人の多いところで演説と握手・声かけ作戦。徹底した個人選挙だ。「どういうことでしょう。どんどんお仲間の輪が広がっている」とやって喝采を浴びている。選挙プランナーも「人を惹きつけて、それがまたSNSで拡散される。うまくPRされている」という。
与党推薦の増田は徹底的な組織選挙だ。集会場はどこも満席。入りきれない人は別室で映像を見る。都議会の自民党議員が駆けつけ、「議会と話し合って結果を出していく」
増田の泣き所は知名度が低いことだ。そこで、名前の連呼になる。「増田寛也でございます」「増田」「増田」。配布するビラも片面は大文字で「増田」とだけ。「これはなかなかない。名前を印象づける面白いアイデア」とプロは言う。
鳥越は街頭演説よりトークライブ
鳥越は対話形式の集会が中心で、街頭演説が極端に少ない。やっても極めて短時間である。きのう19日に浅草の劇場で開かれた集会では、舞台中央にせり上がってくる演出だった。「東京をとりまく現状を分析して、このままでいいのか」。この後に国会前で「憲法を守る東京を、日本中、世界中に発信したい」とぶったが、この日の街頭演説はこれ1回だけだった。しかし、トークライブのような形は案外聴衆に訴えるものだという。
司会の夏目三久「舌戦はヒートアップしています」