「東京都知事選、誰を選んだらいいか迷っている方が多いと思います。そこで、『都知事に必要な資質』はなにかを元副知事に聞いてみました」
司会の羽鳥慎一が明治大学大学院の青山やすし教授を紹介した。青山氏は東龍太郎都知事から石原慎太郎都知事まで都庁に36年勤務し、石原知事の時には副知事だった。
知事に不可欠な資質は「明確な目標」と「地道な努力」
青山教授がまず挙げるのは「具体的な政策があるかどうか」。3期以上を務めた知事はいずれも「これをやるんだ」という明確な政策があった。美濃部知事は「老人医療無料化」、鈴木俊一知事は「臨海副都心開発と都庁新宿移転」、石原氏知事は「東京マラソンと羽田国際化」。それぞれに強い信念があった。
次は「地道な努力」。知事の強大な権力があっても努力がないと実現しない。たとえば、石原氏の業績としてあげられるディーゼル車排ガス規制も、世論を味方にし、議会や業界団体と粘り強く交渉して実現までに4年半かかった。「剛腕に見えますが、こういう地道な努力が必要でした」という。
選挙戦終盤で政策が具体的になっているか
では、選挙戦では何に注目すればいいのか。青山さんが指摘するのは「政策の進歩があるかどうか」だ。最終日の演説を聞くとわかる。初日は「とにかく待機児童ゼロ」と言っていたのが、最後に「遊休地を活用して新たな保育所をつくります」といっていたとすれば、「選挙期間中に有権者や対立候補、メディアの声などを聞き、自分の政策の熟度を高めたことがわかり、必ずやるという本気度が伝わってきます」
羽鳥「都知事選は7月31日です。選挙演説を見に行くのはなかなか難しいかもしれませんが、いろいろ聞いたり、調べたりして大事な1票を選んでください」
真夏の選挙、有権者も大変です。