天皇陛下の「生前退位」のニュースは海外でも大きく報じられた。「象徴」という立場には世界も関心が高い。その天皇制のあり方に最も心を配っているのも陛下ご自身だろう。常々口にされる「平和への思い」と「戦没者の慰霊」がそれを示している。
即位のときに「現代にふさわしい天皇制のあり方を求めていく」と語ったが、天皇の暮らしと活動は憲法と皇室典範に縛られる。その皇室典範は生前退位を想定していない。引退は許されない。死ぬまで働けということだ。現に昭和天皇はそうだった。しかし、平成天皇は天皇の地位にある限りその仕事はこなすが、体調不良などで公務に支障が出るならばできるものに地位を譲るべきだという事らしい。
被災地訪問などもヘリコプター移動
どのくらい多忙なのか。陛下はきのう14日(2016年7月)、静養先の葉山御用邸から皇居に戻ったが、静養中にも公務はあったのだという。
司会の夏目三久「ここで宮内庁担当の牧嶋さんにも加わっていただきます」
牧嶋博子(TBS報道局解説委員)「今年6月のご公務を見ていただきたい」とスケジュールを示した。1日から30日まで行事がびっしりで、休みは土曜日が2回、日曜が3回だけ。週休2日にもならない。「被災地のご訪問もヘリで移動されたりと過密スケジュールです。また、火曜と金曜に『ご執務』とあるのは、国会で成立した法案などに目を通して署名するという仕事」
葉山でも12日にはご執務の書類が届いていた。「国会閉会前には大変な数になります。82歳という年齢では、若い時のようにこなすのは難しい状況になっているんです」
夏目「お気持ちとしては、今までと変わらずということなのでしょうが・・・」
牧嶋「強いお気持ちをお持ちです」
宮内庁は以前から皇室典範見直しの検討
夏目「生前退位の方はどうなるのでしょうか」
牧嶋「もちろん、宮内庁は状況を理解して動き始めています。日本の仕組みは天皇陛下に引退を許さない。どういう形がいいのかは、国民みんなが考えて議論すべき課題だと思います」
沢松奈生子(元プロテニス選手)は2か月前に軽井沢のテニストーナメントの100周年のパーティでお目にかったという。天皇・皇后お2人の出会いの場となった所だ。「ご歓談の時間、予定をはるかにオーバーしてお話になっていました。ずっとお立ちのままでした」