天皇125代の半数が生前退位
89年1月の即位の際には、「憲法に定められた天皇のあり方を念頭に置き、勤めを果たしたい。古来の天皇に思いをいたすとともに、現代にふさわしい皇室のあり方を求めていきたい」と語っていた。即位20年の時には、「皇位継承の制度については国会の論議に委ねるべきと思いますが、将来の皇室のあり方については、皇太子とそれを支える秋篠宮の考えが尊重されることが重要だと思います。2人は長年私を支えてくれました。天皇のあり方についても、十分考えを深めていると期待しています」と述べている。
天皇家125代の歴史で生前退位は珍しいことではなく、約半数が譲位している。ただ、現行の皇室典範では「天皇が崩じた時は、皇嗣(皇太子)が直ちに即位」となっているだけで、「生前退位」の規定はない。法的な措置が必要ということだ。新聞報道は「数年のうちに」と伝えているが、小田部教授は「そんなに時間はかからないだろう」という。
災害地訪問などで、皇后さまに支えられるように歩く天皇陛下の映像が繰り返し流れた。一般にも、80歳を過ぎた人が同じ仕事を続けている例はそうそうあるまい。1日も早くご意向に沿うよう、ことを進めてほしいものだ。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト