増田寛也・元総務相はきのう10日(2016年7月)夜、参院選の開票中継で報道陣が詰めかけている自民党本部に現れて、カメラの前で石原伸晃・自民党都連会長に「推薦願」を提出した。全国中継で映ることを計算した演出だ。突きつけられたマイクに増田氏は「都知事選出馬を決断し、推薦願を提出しました。都政を担う覚悟を示したい」とカメラ目線でしゃべった。
一方、先出しじゃんけんの小池百合子・元防衛相はそれより先に自民党本部を訪れ、都知事選への推薦依頼を取り下げた。「推薦を頂戴することが難しいことから取り下げに至った」と話した。離党はしないというが、「進退伺」を出すという。「推薦なしで出馬します。『都議会のドン』らによる都政運営を改め、都民のための『東京大改革』を進めます」とブログに書いた。
前回、前々回次点の宇都宮健児
これで自民は分裂選挙となったが、民進党の岡田克也代表は「勝つためには野党4党の枠組みは大事だ。野党サイドから何人も候補者が出るようだと勝負にならない」というが、野党統一候補の可能性は見えてこない。
司会の夏目三久「参院選の開票の最中に大きな動きがありましたね」
龍崎孝(流通経済大教授)はこう解説する。「増田さんは、特別区の区長、市長、町村会長の推薦と段取りを踏んでいる。もともとは東京一極集中を批判する立場だが、都政でどういうことをやるのか、準備しつついろいろな人と会っているようです。
これに対して小池さんは、既成の政治、自民党の都政に反対する立場を鮮明にして、推薦願を取り下げた。野党の候補者選びが進まない中で野党の支持者も取り込んでいく戦略です」
夏目「『自分は自民ではない』と打ち出していく戦略ですかね」
民進党が増田氏に相乗りする可能性が残っているが、前回、前々回とも次点の元日弁連会長・宇都宮健児氏には共産党と社民党が乗ると見られ、大混戦となりそうだ。そうなればなったで組織票に乗る増田氏が有利になる。