参院選で改憲派が改憲発議に必要な3分の2を確保したことを受けて、安倍首相は「これからは憲法審査会で与野党合意を求めることになります」と満面の笑みだった。
参院選は安倍自民党の戦略勝ちと言っていいだろう。年初には「憲法改正は当然参院選で論議になる」と言っていながら、実際の選挙戦では「アベノミクス」を自画自賛するばかりで、憲法にはだんまり。「改憲隠しだ」とする民進党、共産党の訴えは有権者に届かなかった。「3分の2」の意味すら知らない有権者が多いというのが現実で、日本の民主主義のレベルでもある。
安倍首相は「国政選挙で4連勝」と胸を張ったが、沖縄北方担当相の島尻安伊子は大敗し、沖縄では知事選も含めて3連敗だ。
1人区は野党大健闘
パトリック・ハーラン(タレント)「与党の選挙作戦のうまさと野党の下手さが浮き彫りになりましたね。憲法を争点から外して論点を相手から取り上げた。サミットやオバマの広島訪問も演出できた。有権者は野党は選択肢に見えなかったでしょう」
龍崎孝(流通経済大教授)「自民・公明が61を大きく上回って野党は負けたけれど、1人区の結果を見ると、与党も手放しでは喜べない」として、32の1人区の結果を解説した。野党が勝ったのは11選挙区。東北では6県のうち5県で自民が敗れている。これはTPP(環太平洋経済連携協定)への不満が根底にある。また、現職閣僚が敗れた福島と沖縄では、それぞれ原発問題、米軍普天間基地の移転での国への不満があると。
文
ヤンヤン