3日(2016年7月)に行われたリオ五輪選手団の結団式で、君が代を巡っておかしなことがあった。主将の吉田沙保里(レスリング)ら選手は赤のブレザーで舞台に勢ぞろいし、「国歌独唱」では背後のスクリーンに日の丸の映像が映り、選手たちは後を向いて流れる独唱(陸上自衛隊員)を聞いた。
ところが、この後、東京五輪・パラリンピック組織委会長の森喜朗元首相が「どうしてみんなそろって国歌を歌わないのでしょうか。国歌も歌えないような選手は日本の代表ではない。私はそう申し上げたい」と言い出したのだ。しかし、会場に流れたアナウンスは「国歌斉唱」ではなく「国歌独唱」だった。
「選手を叱ったり注文を付けたわけではない」と弁明
これについて、きのう7日の組織委の会合で日本体操協会の渡辺守成・専務理事が森氏に、「結団式でのご発言の趣旨をご説明いただければ」と聞いた。森氏は「選手団を叱るとか、注文をつけるとか、そういう立場ではない」と断った上で、JOCが決めた選手団の行動規範には「君が代を斉唱する」となっている。これに沿って斉唱すべきだったと指摘した。
「独唱」にしたのはJOCの演出だが、意図は明らかでない。そもそも「君が代独唱」というのもあまり聞いたことがない。昔はみんな「斉唱」だったが、歌えない選手がいることを懸念したとも取れる。森氏は「歌えない選手は日本の代表ではない」というのだから、これまた穏やかでない。
「あさチャン!」は「発言が波紋を呼んでいる」というナレーションだけで、誰もコメントせず、それ以上の突っ込みもなかった。
文
ヤンヤン