リオデジャネイロ五輪開幕(日本時間2016年8月6日)まで1か月だが、ブラジルは五輪どころではない混乱に陥っている。4日(2016年7月)のリオのガレオン国際空港到着ロビーで、給料未払いに怒った警察官や消防士たちによる抗議デモがあり、掲げられた横断幕には「地獄へようこそ」とあった。
「身の危険感じてまで行く気しない」ゴルフの松山英樹、谷原秀人は出場辞退
とにかく、治安がすこぶる悪い。少年がすれ違いざまに女性のネックレスを引きちぎったり、背後から近づき持っていたスマホを素早く奪い取るなんてことが頻発しているのだ。1日に発生する強盗・窃盗は480件、殺人は19件という。スラム街では1か月に数件は銃撃戦がある。
クレー射撃の日本代表、中山由紀枝選手(37)らがバスで移動中に銃撃戦に巻き込まれそうなこともあった。同行していた永島宏泰マネージャーは「射撃場のオリンピックシューティングセンターまであと10分というところで、急にパンパンという音がしました。みんなバスの中で伏せました。3分ほどで収まりましたが、味わったことのない恐怖がまだ残っています」と話す。
ジカ熱に加え、こうした治安の悪さから男子ゴルフの松山英樹、谷原秀人はリオ五輪出場を辞退した。「身の危険を感じてまで行く気はしない」(谷原選手)という。
司会の小倉智昭「逆にいけば、チャンスになるかもという人もいますけど、それだけみんなが怖がっているということですね」
ようやく競技施設のすべてが完成したというが、財政難から五輪が終われば取り払われる仮設競技場が多く、水泳競技場の施設はエアコンなしだ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト