イギリスのEU離脱の動きはリーマンショック級というが、果たしてそうなのか。「そもそも総研」コーナーで玉川徹(テレビ朝日ディレクター)が検証した。国民投票の結果を受けて、円相場は1ドル106円台から一時99円台にハネ上がり、日本のGDPは0・34%下がり、株価は下値1万4500円ぐらいに下がった。「でも、その後は安定していますよね」(司会の羽鳥慎一)という状態だ。
今後の展開で深刻度大きく変化
最悪のシナリオは加盟国に離脱が広がり、EUが解体する事態だと大和総研の長内智シニアエコノミストは解説する。途上国などで金融危機や通貨危機が起きれば日本のGDPはマイナス1・1%、EU解体ならマイナス2~3%となると予測する。平均株価でいうと9000円台の可能性も考えられるという。
しかし、イギリスが国民投票をもう1回行うなどで現状より事態がよくなる可能性もあるという。
玉川「これからどう動くかで深刻度も変わってきます」
年金積立金運用も大幅損失
株価によっては年金も心配だ。年金積立金を運用する独立法人GOIFはおととし(2014年)10月から株式により重点をおく運用に変更した。金融経済評論家の近藤駿介氏は、今までの値下がり分が9兆円あって、これが1ドル95円となれば19兆円に増えると試算する。「結果論としては、運用変更が効果を発揮していない」と話す。それどころか、マイナスなのだ。
宇賀なつみキャスター「何かできることがあるんですか」
玉川「リーマンショック級かどうかはこれから決まります。金融、通貨危機はなんとして避けたい」
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト