「真っ暗闇体験」ブーム!見えないものが見えてくる・・・企業も研修に活用

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   キャミソールの女性たちが励んでいるのはなんとボクシングだ。サンドバッグを笑いながら打ち続ける。あるいは、ずらり並んだバイクを大音量の音楽に合わせてこぐ。これまでと違うのは薄暗い場所ということだ。これで集中力が高まるのだという。

   アメリカから始まったらしい。「暗闇効果」というのだそうだ。体験者は「暗いほうが集中できる。音楽も大音量だし、暗いと恥ずかしがらずに好きにできる」と話す。

   研究者の吉田たかよしさんは「疲れて嫌になってしまうほどの激しい運動でもどんどんできちゃう。できるだけ暗くして、自分が読み取っている部分だけを明るくする。これで効率が上がるんです」という。

何も見えない空間に放り込まれる重役さんたち

   暗闇を最大限に生かす場所が東京・渋谷にあった。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」で、本当の暗闇を体験できる施設だ。真っ暗闇で何をするのだろう代表の志村真介さんは「相手のことをおもんばかりながら、意見を聞きながら、新しいコミュニケーションのあり方が見え隠れするのが面白い」という。名のある企業も含め、500社以上が社員研修に取り入れているらしい。目指すのは「チームワークの強化」「コミュニケーション能力の向上」だ。

   大手ゼネコンの役員6人が目をつぶって誘導者の肩につかまって横断歩道を渡る。樹木や葉に触ったりして、街の様子を感じ取るのが準備だ。互いに「のぶちゃん」だの「はまちゃん」だのと呼び名を決める。グループを追って、カメラも暗闇の部屋に入った。もちろん何も写らないが、参加者は杖を持って手探りで進む。部屋には机と椅子がある。案内人は視覚障害者だ。「段差があります」「何かある」などと情報を伝える。そして全員が着席。

   そこで、虹の形をした積み木を組み立てる。大きさの違うアーチ型を順番に組み立てられるかどうか。「大きさはどうやってみる」「あ、音は?」「コン、コン」「わからないねえ」「小さい」「これが一番大きい」などと子供に返ったような雰囲気になっていく。そして、明るくしてみると、アーチが順番でなく、真ん中に小さいものがれ込んでいた。「ぜんぜん違う」と大笑い。案内人が「全体的に思い込みが激しい」(笑)

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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