広がるといいな!子どもと一緒に出勤・勤務・・・デスクの脇で赤ちゃんスヤスヤ

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   子供をおんぶしてパソコンを打つ女性、ガラス越しに子供に微笑む女性・・・。ともにある職場風景だ。東京・目黒のギフト販売会社「ソウ・エクスペリエンス」のオフィスでは、パソコンに向かう女性のかたわらで幼児がスヤスヤと眠っている。泣き出したりもするが、あやしながら仕事を続ける。女性は「ゼロ歳の時期はまだ一緒にいたい時期なので、こうして仕事ができるのはありがたいです」と話す。

   この会社は3年前に子連れ出勤を導入した。オフィスの奥にはおむつ替えや授乳スペースがある。床に絨毯を敷き、テーブルの角にはクッション材を貼り付けるなど、子供の安全に配慮している。会議にも子供を抱いたまま参加する。

   これまでに10人以上がこの制度を利用しているという。妊娠中の女性もいるし、おんぶしている子を隣の女性があやしたり、ママじゃない人も子育てに参加している。子供のいない女性も「子育て疑似体験ができる」。男性も「和みますし、癒されます」という。代表取締役の西村琢さんは「待機児童の問題ってすごく大きい。待機児童=待機ママだと思います。働きたいけど働けないのはもったいないし損失です」と語る。

保育士もいるキッズスペースを併設

   全国の待機児童は去年(2015年)10月時点で4万5315人(厚生労働省調べ)だ。「あさチャン!」が東京23区を調べたところ、4月時点で去年より596人増えていた(14区で増加)。つまりは待機ママも増えている。

   東京・北区に住む麻生薫さん(38)は2人目の子の出産で会社を辞めた。子供が2歳になったので再び働きたいと保育所を探したが、勤め先が決まっていないとはねられた。諦めかけた時に見つかったのが埼玉・川口のショッピングモール「ララガーデン川口」だった。

   ここには保育士のいる「キッズスペース(託児所)」がある。一緒に出勤して子供を預けて、ガラス窓を隔てた隣が職場だ。子育て応援会社「サテライトママスクエア」が運営していて、さまざまな会社から請け負った電話営業やデータ入力などをワーキングスペースでこなす。窓から覗くと子供が見える。保育士からガラス越しに「オムツ替えお願いします」というボードが出たりする。

   保育園ではないからそうした世話はママが行うのだが、「子供の体調に合わせてシフトを組んでくれるので、子供にも負担は少ないと思います」と麻生さんは言う。出勤ラッシュを避けたシフトなんかも可能なのだ。麻生さんは週に3日、午前10時から午後2時まで働く。長女が学校から帰るまでに帰宅できる。「ママが頑張ってると子供も頑張りますよ。私も子供の顔を見て、2人で成長しているような」

   この会社は首都圏に6つのオフィスを持つ。ママからの問い合わせが相次ぎ、今年度中にさらに4つのオフィスをオープンする予定だという。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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