EU離脱を決めたイギリス国民投票の衝撃が世界に広がる中で、実はイギリス人自身が一番驚いたという声も出ている。投票を実施したキャメロン首相への批判とともに、「みんな、まさか離脱とは思っていなかった」と口々に言うのだ。
キャメロン首相は「自分は次の船長にふさわしくない」と、10月(2016年)をメドに辞意を表明した。投票結果は残留48・1%、離脱51・9%だったが、離脱に投票した女性は「家族はみんな後悔しています。投票所に戻って残留に入れたい」と話す。イギリス議会下院のサイトには再投票を求める350万人の署名が集まった。
投票後にネットに質問殺到「EUってなに?」
信州大学の真壁昭夫教授は「多くの人が離脱はないだろうと思っていたでしょう。世界中が驚きました」という。イギリス出身のスタイリスト、トニー・クロスビーさんは「独立するつもりのない人がほとんどで、人気のないキャメロン首相にちょっと嫌味を言ってやろうという人が多かった。『やってしまった!』という感じです」と語る。
キャメロン首相が13年に国民投票を決めたのは、独立党など野党と与党保守党内の離脱派を抑え込むためで、残留を確信していたという。
司会の羽鳥慎一「それがまさかの流れになりました」
EU問題の関係で投票後に検索にあがった質問では、「離脱の意味」や「離脱すると何か起きるか」などと並んで「EUってなに?」という声が2番目に多かった。
住田裕子(弁護士)「何も知らないまま感情で動いたことにびっくりしますね」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「ここから日本人は何を学ばなければならないか。理性でなく、感情で投票することが何をもたらすかということです」