北朝鮮はけさ22日(2016年6月)午前5時58分ごろ、元山(ウォンサン)付近からムスダンとみられる弾道ミサイル1発を発射したが失敗した。今年に入って4度回のミサイルを発射はいずれも失敗している。ムスダンは射程4000キロで、グアムに到達するといわれる。
安倍内閣は北朝鮮がミサイルを発射する兆候が見られるとして、中谷元・防衛相が出した「破壊措置命令」に基づき、きのう東京・市ヶ谷の防衛省内に迎撃ミサイルPAC3を配備した。海上でも迎撃ミサイル搭載のイージス艦も配備した。
「あさチャン!」が速報として発射を伝えたのは午前6時半過ぎ。韓国からの情報で、発射が成功したかどうかには触れていなかったが、その後、失敗が確認された。
中国異例の公開「北朝鮮工作員の逮捕映像」
「あさチャン!」は中国が発表した「北朝鮮工作員逮捕」の映像を伝えた。北朝鮮との国境の町、中国・丹東のアジトを急襲する中国公安部の様子を撮ったもので、輸出禁止の贅沢品を密輸した容疑だという。工作員がうつ伏せで後手に縛り上げられ、押収した4億円以上の現金と金塊なども写っていた。撮影は今月上旬。逮捕されたのは3人で、うち2人は強制送還されたという。
こうした事実を中国が発表すること自体が珍しい。まして映像となると、なんらかの政治的意図があるとみていい。外務省の元官僚・原田武夫氏は「国境での密貿易は公然の秘密です。中国の意向からそれたことをやるとこうなるぞという警告だと思います」という。
強気姿勢の本音は「早く6か国協議再開して援助欲しい」
北朝鮮は今月2日(2016年6月)、リ・スヨン朝鮮労働党副委員長が北京で、中国の習近平国家主席と会談して、「われわれは核保有国」「開発を継続する」と伝えた。これに習主席は「自制」を促していた。
丹東での映像もこうした牽制の一部かもしれない。また、ミサイル発射は中国へのメッセージなのかもしれない。北京では6か国協議参加国の代表による民間の学術会議が開かれているが、北朝鮮の参加は4年ぶりである。これを足がかに6か国の本協議が再開する可能性もある。