きょう15日(2016年6月)、辞表を提出した舛添要一東京都知事は、おととい13日の都議会総務委員会で不信任案について「リオデジャネイロ五輪まで猶予してほしい」と懇願し、きのう14日も議運理事会で声を詰まらせ訴えていた。司会の羽鳥慎一がいう。「なぜ、これほどリオ五輪にこだわったのでしょうか」
「2年後にはリオに行って、閉会式でオリンピックの旗を受け取ってこないといけませんので」と、2年前の2014年5月の定例会見で語っていた。3か月後の8月にも「私も閉会式に参って、五輪の旗を持ってこないと」といっている。
「通勤電車で映せないかな」
五輪閉会式に行われるフラッグ・ハンドオーバー・セレモニーと呼ばれる五輪の旗の引き継ぎ式のことだ。08年の北京五輪では北京市長からロンドン市長へ。12年のロンドン五輪にはロンドン市長からリオ市長へ。今(16)年8月にはリオの市長から東京都知事へ引き継がれる予定になっている。
セレモニーには世界的に有名なスポーツ選手が登場する。過去に北京ではサッカーのベッカム選手、ロンドンではブラジルのサッカーの王様ペレ氏が登場した。
舛添はそれを思い浮かべてか、今(16)年の1月の会見では「日本ではプロテニスの錦織圭選手に出てもらうとかねえ」などと話していた。また、「閉会式で自分が旗を受け取るところを渋谷のスクランブル交差点や、あるいは通勤電車で映せないかな」と子どものような表情をしていた。
今(16)年4月28日、公用車で湯河原の温泉付き別荘に通っていた問題でも五輪と関係があった。「股関節の大手術をしたので、体調を整えるのも知事の責務と思っています。湯河原のお風呂は足が伸ばせるので順調です。万全の体でもってリオで旗を受け取りたいと思っています」といっていた。
これほど楽しみにしていたのだったなら、極めて残念なことに違いない。