東京都議会の与党、自民党と公明党も舛添要一知事の辞任はやむを得ないという判断に傾いたようだ。東京都議会総務委員会はきのう13日(2016年6月)に舛添要一知事の政治資金流用問題の集中審議を開いたが、知事の答弁に説得力はなく、正月家族旅行したときの会議の相手の名前も明らかにしなかった。
公明党の松葉多美子都議は「舛添知事に『復興五輪』を語る資格はありません。辞職すべきです」と迫り、与党から引導を渡された。知事は「地位に連綿とするわけではない」としながらも、「不信任案が可決されると、辞任か議会の解散。いずれにしても選挙になる」「選挙とリオ五輪が重なる混乱は公益にそぐわない。時期を猶予していただきたい」と直ちに辞任には応じられないと答えた。
「リオ五輪の閉会式セレモニーに出席したい!」
オリンピックでは閉会式で次の開催地の首長がオリンピック旗を受け取るセレモニーがある。これが選挙が重なるのはたしかに具合が悪い。だが、舛添氏本人の口からそれを言われると、「悪あがき」に見える。これで与党は態度が硬くなった。ここで及び腰だと参院選に影響する。しかし、野党が出す不信任案に賛成はできないということで、与党から不信任案提出の可能性も出てきた。
街の声は当然厳しい。「けしからんね。(五輪出席を)断固阻止すべし」「オリンピックに出て欲しくない。舛添さんはいらない」。これまでに都庁には3万1000件の意見や批判が寄せられているという。
龍崎孝(流通経済大教授)こう見る。「もはや早期辞任の流れは止まらないでしょう。舛添さんはきのう2つミスを犯した。一般論であれ、議会の解散に触れたこと。議会からすれば恫喝になります。もう一つ、リオ五輪が終わってからにしてと、地位に連綿としている印象を与えたことです。
選挙は混乱を収拾させるための民主的手続きで、政策が問題ではないのに議会を解散すれば、歴史に残る暴挙になります」
知事は辞職を選ぶだろうという見方だ。
参院選へのマイナス必至の自民・公明!比例5議席減
共産党など野党はきょう14日午後に不信任案を提出、あす15日の議会最終日に採決に持ち込む構えだが、与党が不信任案を出す可能性を龍崎は「自民・公明が恐れているのは参院選への影響。一説には500万票くらい失うんじゃないかといいます。これは比例の議席でいうと5議席失うことになります」
元宮城県知事の浅野史郎氏は「観念したと感じましたね」という。経団連の榊原定征会長も「選ぶ道はひとつしかない」とまさに四面楚歌である。 与党が不信任案提出を決れば、知事は経にも辞意表明の可能性がある。