鳥獣保護法で捕獲や飼育が禁止されている野鳥の密猟が横行している。とくに美しい鳴き声のメジロは鳴き声を競う大会まであり、高額で取り引きされる。和歌山県警は先月(2016年5月)30日、和歌山市や海南市に住む68~83歳のメジロ愛好家の男5人を鳥獣保護法違反の疑いで書類送検した。男らはメジロの鳴き声を競う市民サークル「競鳴会」(昨年12月解散)に所属していて、「鳴き声のいいメジロが欲しかった」と供述している。100羽以上のメジロを捕獲し飼育していた。
愛好者の暴論「なんで怒られなあかんの。鵜飼のが虐待しとる」
メジロはウグイスとともに春を告げる鳥として知られている。環境省は乱獲が害虫駆除など生態系の破壊につながるとして、鳥獣保護法で捕獲や飼育を原則禁止にしており、違反すれば懲役1年以下または100万円以下の罰金を科せられる。
それでも密猟が横行するのは高値で取り引きされるためだ。鳴き声の美しさを競う大会は「鳴き合わせ会」と呼ばれ、3分間でメジロが鳴いた回数で勝敗を競う。「3分間に700~800回鳴くメジロが優秀とされ、高いのでは500万円で売買されている」という。
鳴き合わせ会に参加している愛好者は捕獲、飼育禁止にこう反論する。「俺らが何で怒られなぁあかんの。鵜飼とか、あいつら虐待しているやないか。首絞めて食べたいのに吐き出させて」。あまりの暴論で、メジロの美しい鳴き声と似あわない。
プレゼンターの森本さやかによると、密猟者が横行するのには「罰則が軽く、この程度ならいいやという方もなかにいるらしいのです」という。
文
モンブラン