「管理職総選挙」もう上司が人事決める時代じゃない!本人が選ぶ「バリバリ出世」か「そこそこ人生」か

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   安倍首相は衆参同日選挙をあきらめたのに、「総選挙」って言うからAKBのことかと思ったら、社員1000人のメガネチェーン「オンデーズ」の管理職総選挙だった。離職率50%で倒産寸前だったこの社を8年前に買収した田中修治社長は、制度導入の理由を「人事への不公平感が高まっていたから」と説明する。「自分がいいと思っていた人が実はまったく仕事をしていなかったり、社長がその人のすべてを理解することはそもそも無理な話だったんだなと気づいたんです」

   今年(2016年)の総選挙に立候補した平田功さん(40)さんは、おととしまで社内に5人しかいない「エリアマネジャー」だったが、昨年の選挙で落選し、スーパーバイザーに降格された。そこで取り組んだのが「本部と現場の距離を近づけること」だった。「(現場に戻って)エリアマネジャーをしていた頃は、本部側の目線に偏り過ぎていたのかなと気付いたんです。もう一度、地に足をついて一からやらなきゃいけないと思いました」

   現場社員の声に耳を傾けることによって、平田さんは今年の「総選挙」で見事にエリアマネジャーに返り咲くことができた。

   タレントでIT企業の役員でもある厚切りジェイソンと、企業の人事や雇用に詳しい立命館大学・海老原嗣生客員教授はこの制度を評価する。

   ジェイソン「面白い制度ですけど、人気だけで選ばれるのもどうかなと思います」

   海老原教授「確かにそうですが、僕はそこを言うよりも、この社長はうまいなと思いますよ。この制度は公平性、一体感、経営参画意識などの側面を持っています。それをすべて盛り込んでいるのは、良い悪いを抜きにして、うまい社長だなと思います」

部下もいない「肩書きだけ課長」いらない

   こんな制度がなぜ導入されたのか。海老原教授はこう解説する。「もともと課長は誰でもなれたんです。本当は課長って5人に1人か10人に1人しかいらないはずですが、日本はある程度のキャリアを積んだ人は、専任職課長とか専門職課長、専任課長とか言って、課長でもないのに課長クラスの人をいっぱい作ってきたんです。しかし、バブル崩壊後はこれじゃお金が持たないから欧米と同じ職能主義に変えたということです。

   ただ、日本には管理職になれなかった人のトラック(道)がないんです。欧米では管理職になれない人のワークライフバランスが自由、つまり金はもらえないけど、その分早く帰るという選択があるんです」

   ジェイソン「一番下のレベルでも生活できる給料があれば、それ以上出世する必要はないんですよ」

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