舛添要一・東京都知事は政治資金の私的流用問題できのう6日(2016年6月)、「第三者」の調査結果を報告した。家族旅行や絵画の購入など約440万円が「不適切」支出とされたが、「まったく違法性はない」と予想された内容で、これを受けて知事は続投の意向を表明した。会見は知事が主宰して、3人で行われた。
一件落着とばかりに「知事続投」表明
「第三者」は佐々木善三、森本哲也両氏で、ともに元検事の弁護士。舛添氏の依頼で疑惑の内容を精査したという。とはいっても、作業の内容は政治資金報告書と領収書などの確認と、知事本人からの聞き取りがほとんどだった。
63ページの調査報告書では、ホテル代など19件中6件の約80万円、飲食費65件中14件の約34万円、絵画・書籍の購入106件315万円の計約440万円が「不適切」「一部不適切」とされた。書籍の中には子供漫画「クレヨンしんちゃん」などまであったと言う。
「適切」とされた中にブランド品のバッグがあった。資料などを入れ執務に使ったという。政治資金パーティーで配られた知事の似顔絵入りのまんじゅうも問題ナシだった。
これらを法的に見ると、政治資金規正法は政治家が受け取る金を規制しているもので、支出に縛りはない。政治家が「政治活動だ」と言えば通ってしまう。法律が不備なのだ。第三者からお墨付きを得る狙いもここにあったと言っていいだろう。
「不適切支出」は返金が相当とされたが、知事はこれらを受け入れると表明し、公用車の使用が問題になった神奈川県・湯河原の別荘は「売却してけじめをつけたい」と語った。そのうえで、「深く反省し、生まれかわった気持ちで都政に取り組む」と続投を表明した。
参院選でしっぺ返し食いそうな自民党・公明党
都議会はきょうから代表質問、一般質問だが、与党の自民党、公明党は知事辞任は避けたいというのが本音だろう。知事選の結果が予想できないだけでなく、7月10日の参院選にももろに響くからだ。都民の反応は「やっぱり道徳ですかね。サラリーマンだったら通りません」「本当に政治活動に使ったのか、追及しないと」と手厳しい。
司会の夏目三久「知事の声をもう少し聞きたかったですね」
パトリック・ハーラン(タレント)「恥ずかしい、反省してます、都民のために働くと繰り返すばかりで、内容がないですよね。第三者の結果についても、『発言は差し控えたい』と、第三者に隠れて自分の責任を逃れようとしていたように見えました」
龍崎孝(流通経済大教授)「不適切というのは、もしかしたら違法性より重要かもしれません。公私混同したという時点で公人としての資格を失う。国会なら、バッジはともかく、閣僚なら辞任に当たります」
弁護士の白井真氏は「第三者の独立性に疑問があります」「本人関係者・関係場所へのヒアリングが甘い」と批判した。とくに、「なぜ公私混同の使い方をしたのかなどの説明がない」
夏目「それは舛添さんしかわからないということでしょうかね」
龍崎「あとは有権者。都民が判断することになります」
牧嶋博子(TBS報道局部長)「舛添さんは続投ありきだったですね。第三者が法的に問題がないと結論を出すのは見えていて、その通りになりました。これを追及できるのは都議会だけだが、いろいろあって及び腰。都民はみんな見てます」 都議会のチェック能力が試されている。