きのう5日(2016年6月)に行われた沖縄県議選で、米軍の辺野古新基地建設に反対する翁長雄志・知事を支える共産党、社民党など県政与党が議席を伸ばし、過半数を維持した。米軍属による女性殺害事件(逮捕は死体遺棄容疑)の直後で、反基地感情が結果に出た。知事も政府との対決姿勢を強めるとみられる。
投票日前日に米兵酔っ払い運転で2人重軽傷
沖縄県議会は定数48で、改選前は欠員が2あり、与党は23議席でかろうじて過半数を維持していた。開票の結果、与党は4議席を上積みして27議席となり、野党の自民党は15議席、中立6議席だった。投票率は53.31%で、前回比0.82ポイント増だった。
この結果に翁長知事は、「26(議席)以上は大勝利だと考えていたが、70年間背負ってきたものが、新しい政治の枠組みで変わってくれるかもしれない。少なくとも、きょうまでの1年半の実績としては、それに答えていると判断いただけたのではないか」と話した。
投票前日の4日夜、米軍嘉手納基地所属の女性兵士(21)が酒に酔って乗用車を運転、嘉手納町の国道を逆走して2台の軽乗用車に衝突して2人が重軽傷を負った。嘉手納署は米兵を道交法違反(酒酔い運転)の現行犯で逮捕した。
米軍属の事件の後、在沖縄米軍は綱紀粛正で基地外での飲酒などを禁じたばかり。また、日米地位協定の運用改善で日米両政府が動き出した矢先だった。中谷元・防衛相は滞在先のシンガポールで、「極めて遺憾。米軍に強く申し入れをした。こういうことが起こってはならない」と語った。中谷防衛相は4日、女性の死体遺棄事件を受けて、アメリカ政府のカーター国防長官と再発防止策を協議したばかりだった。
龍崎孝(流通経済大学)「この事故も選挙結果に影響したと思われる。知事にとっては大勝利。これが参院選にどういう影響を及ぼすのか、そこが注目されます」