授業料高く給付型支援少ない日本!「教育の公的負担」先進国で最低
日本は先進国の中でも教育の公的支援が非常に少ない国だ。北欧やドイツは私的負担はない。アメリカ、イギリス、カナダは授業料は高いが、給付型の補助が多い。フランス、イタリアなどは授業料が安く、給付型の補助がある。授業料が高く、給付型が少ないのは日本くらいのものだ。
教育評論家の尾木直樹さんは「これが僕が育った国なのかとショックです」という。日本学生支援機構の仕組みを「金融機関の教育ローンと同じ。スカラーシップの精神がまったくない。サラ金より酷い」という。
支援機構は日本育英会から奨学金事業を引き継いだが、焦げ付きの解消が命題だった。「自己責任」を前面に出して回収強化となった。「次の世代のための奨学金の原資を作らないといけない」という。その結果がサラ金化かい。
政府は2日(2016年6月)に一億総活躍プランを決定して、給付型奨学金の創設に向けて議論を進めるとした。これに尾木さんは「非常識な国家なんです」と手厳しい。国際人権A規約では高等教育は無償となっているが、日本はこの条項を外して1996年に批准した。2012年にようやくこれを受け入れたのだが、「この4年間何もしてなかった」(尾木さん)
親に負担をかけまいと借りた奨学金が老後の親を苦しめる。そうして取り立てた資金が次の奨学金になり、新たな破産予備軍を作り出すという構図だ。「未来への投資」どころか、「未来を潰す」奨学金とは何なのか。根本から考え直す必要がある。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2016年6月2日放送「『奨学金破産』の衝撃 若者が...家族が...」)