空前のペットブームだが、ペットショップで購入後に、犬や猫の目が見えないようだ、耳が聞こえない、先天性の病気があったというトラブルが相次いでいて、毎年1250件もの相談が国民生活センターに寄せられている。
福島県郡山市で絵画教室を主催する菊地實・めぐみさん夫婦はミニチュアシュナイザーのるるを飼っているが、ショップで購入してから2か月後に先天性の心臓病が発見された。「心音を聞くと雑音があるので、調べると動脈管開存症でした。治療をしないと5割が1歳までに死ぬ病気です。購入の時には病気はないと聞いていたので驚きました」
さらに驚いたのは、そのときのペットショップの応対だった。「問い合わせると、『じゃあ、同じ種類の犬と交換しますか』というのです」。るるに愛着を感じていた菊地さんは、交換をせずに自費で手術に踏み切った。費用は30万円だった。
浜島直子(タレント)「物じゃないんだから、交換なんて単語を使っちゃあダメですよ」
雨宮萌果アナが説明する。「体の悪いペットは、不憫に思ってかえって飼い主さんがそのまま飼い続けるケースが多いんです」
こんな店は危ない!見分ける4ポイント
ペットを購入するときにはどんなことに注意しなければならないのか。「4つあります。(1)店の環境や動物の扱い。臭いやケージの置かれ方などをよく調べてください。(2)だっこさせられて、ああ可愛いと衝動買いをしないこと。(3)その犬種や猫種の罹りやすい病気を調べる。(4)納得するまで説明をよく受ける―です」(雨宮アナ)
獣医師の町屋奈氏が補足する。「すぐ抱かせるのは、売ろうとする手口です。あおるのはいいショップとは言えません。『健康ですよ』といっても、ご飯を食べた健康さなのか、獣医師が診断したものなのかで中身が違います」
雨宮アナ「もし病気が出たら、どうしたらいいのでしょうか」
町屋さん「動物病院に行って診断書をもらってください。そのときにはカルテに先天性のものという一文を書いてもらうことが大事です。それを持ってショップと交渉します」
井ノ原快彦キャスター「これだけトラブルが生じているということは、流通にどこか無理が生じているということですよね」
町屋さん「根本的には大量繁殖と日本の流通システムに問題があります。海外ではペットショップはなく、動物がほしい人は保護施設などに行きます」
(磯G)