覚せい剤取締法違反に問われた元プロ野球選手の清原和博被告(48)に東京地裁はきのう31日(2016年5月)、求刑通りの懲役2年6か月、執行猶予4年の判決を言い渡した。
吉戒純一裁判官は「被告は反省し、覚醒剤に2度と手を出さないと誓っている」と執行猶予の理由を述べた。弁護側が求めた「保護観察付き」は認めず、「自助努力で更生することがふさわしく、被告はそれが十分可能だ」とした。さらに、「あなたは決してひとりではありません。お父さんや親戚、支援者の方々、佐々木さん、そして全国に根強いファンがいることを忘れないでください」「もし心が弱くなることがあったら、お父さんの手紙を読み返し、親身になってくれる人に相談してください」と、異例とも言える言葉をかけた。
幼なじみら480人が嘆願書
覚醒剤は再犯率が極めて高い。周囲のサポートが更生の決め手だが、この裁判では、親友の野球評論家・佐々木主浩さんが証言に立ったほか、出身の大阪・岸和田から480人の嘆願書が提出された。署名した幼なじみの女性は「小さい頃から彼を知っているので、何らかの形で支援していきたい」と語っている。「岸和田の英雄ですからね。何とか立ち直って欲しい」「岸和田はだんじりと清原や」という声は多い。少年野球の「岸和田リトルシニア」の代表は、「戻るポストを残してます」とまで言った。
司会の加藤浩次「更生はなかなか難しいと聞きますね」
宮崎哲弥(評論家)「清原さんの場合は、家族がいないからねえ」
飯田泰之(明治大准教授)「清原さん自身が社会に必要とされていると思えれば更生につながるが、そうでないと難しいのではないでしょうか」
親友の佐々木主浩「更生をサポートしていく」
元スピードスケート選手の岡崎朋美は「スポーツ選手のセカンドキャリアは結構問題になっているんです。(岸和田の動きは)次の世代につなげる役を果たせますよね」
佐々木さんは判決後も、「更生をサポートしていく責任を感じています」と語っている。問題は、こうした支援を清原本人がどう受け止めるかだ。応えるには、恥を忍んで顔を出し、前向きに生きないといけないのだが、それができるくらいなら、覚醒剤なんかもともと必要なかっただろう。