東京・小金井市の音楽ライブ会場で、ストーカーの岩埼友宏容疑者(27)に刺された大学生の冨田真由さん(20)は、襲われる直前に110番通報したが、警察のミスで対応が遅れたことが明らかになっている。
110番通報を受けた担当者は携帯電話の位置情報の確認を怠り、通信指令本部は襲撃現場ではなく冨田さんの武蔵野市の自宅に警察官を派遣していた。その間、携帯電話はつながったままで、冨田さんの「きゃー、助けて」という声や襲われている音を拾っていた。
現場ではなく自宅に警察官派遣
冨田さんの通報から1分45秒後に目撃者からの110番が入り、あらめて警察官を派遣したが、現場到着は冨田さんの110番から約7分後だった。110番通報では、携帯電話からならまず発信地を確認する手順になっており、通常は数秒で大まかな場所が特定できる。今回は、たとえ手順通りに対応しても被害を防ぐことは難しかったと思われるが、高度な即応システムもちょっとしたミスで役に立たないことが浮き彫りになった。
宇野常寛(評論家)「事前の相談への対応といい、警察はずさんだったと思うし、ネットのストーカーまがいの行為に甘いですよね。抜本的に対処してほしい」
ストーカー規制法で電話やメールは対象だが、SNSの書き込みは対象にならないというのもおかしなことだ。だが、警察にしてみれば、ストーカーまがいの事案はいくらでもあるが、実際の事件になるのは稀。大方は痴話喧嘩の類となれば、常に完璧な対応を期すのも酷なような気がする。
文
ヤンヤン