バブル弾けたら巨額のローン残高
医療関係の仕事をしている男性(33)は年収450万円。妻と共働きで2人の子がいる。自宅購入で1200万円のローンを抱えているが、将来への不安からワンルームマンションへの投資を考えていた。
数百万円の物件を10年で返済する計画でさまざまに試算をした。当初は赤字でも、10年後からは家賃収入が見込める。ただし、入居者が続いてあればの話だ。空室状態が続くと大変なことになるが決断した。駅から徒歩20分のワンルームだった。「子供の学資が出せないとなったらかわいそう。身を守るためです。何もしないのは、それはそれでリスクでしょう」
鎌倉千秋キャスター「このような判断をどうご覧になりますか」
三田さんは「不動産は投資の王様なんです。新しい人が入ってくるのは理にかなっている。投資は人生を豊かにします」という。石澤さんも「投資には本来夢があります。今はデータベースも充実して、リスクの見極めがつくようになっている」と歓迎する。
しかし、金子教授は「都心の3区だけの突出はいびつでしょう。外側は空家だらけ。街そのものが壊れ、都市の未来が壊れてしまう。いずれ限界がきます。東京五輪が終わり、人口は減少する。不動産より医療、介護、教育といった健全な方向に向かわないと」と危惧する。これが正論だろう。
もうみんな忘れたのだろうか。かつてバブルで、どれだけの人が銀行の口車に乗ってマンションに投資したあげく、悲惨な思いをしたことか。風向きが変わった時、真っ先に逃げたのも銀行だった。これだけは覚えておかないといけない。