日産ゴーンCEO虎視眈々と狙っていた三菱自傘下引き入れ!昨年秋から経営状況調査
三菱自動車が日産自動車の傘下に入ることが決まったが、重大な燃費のゴマカシが行われていたことの責任を誰がとるのか不透明である。週刊文春は三菱自の天皇と呼ばれていた益子修会長を直撃インタビューし、週刊新潮は日産のゴーンCEOがかなり前から三菱自を傘下に収める下調べをしていたことを明らかにしている。
益子氏は三菱商事出身で、三菱自の経営再建のために送り込まれたという。今回の不祥事について週刊文春が聞くと、「開発(部門)の中が分からなかった」「(燃費偽装を=筆者注)知りませんでした」「現場には行くけど、そういうのをやっているのは分からなかった」「(燃費目標を5回も上げたではないかという質問に=筆者注)僕は『できないでしょう』と言ったけど、『できる』と言われるとね」と、自分は知らされていなかったと逃げるばかりだ。三菱自がまとめた調査結果には、データ改ざんの背景には「目標達成へのプレッシャーや、幹部社員らの高圧的な言動による物言えぬ風土などがあった」と書かれているのにである。
週刊新潮によると、軽自動車の燃費データに不審な点があることに日産が気付き、三菱自に通知したのは昨年11月だったが、その段階から日産は三菱自や三菱グループの経営状況を調べ始めていたそうだ。提携発表後にゴーン氏の右腕と称される人物が首相官邸を訪れ、菅義偉官房長官に三菱を傘下に収めることを報告しているという。
<「日産としては三菱自動車を三菱グループから切り離して完全に自社のコントロール下に置きたかったのですが、重工側は『待ってくれ』と。で、第三者割当増資という案が出てきたのです」(専門誌記者)>
三菱自が不正を発表して、日産はうま味のあるところまで三菱の株価が落ちたタイミングを見計らって提携を発表したというのである。徹底した合理主義者のゴーン氏だから、三菱自には厳しいリストラを持って臨むという観測がしきりである。三菱自の社員は残るも地獄、去るも地獄となるのだろうか。
こうした民間企業の浮き沈みを見ていると、学生たちの指向は「やはり大樹の陰」と公務員志望が多くなるのは間違いない。私の知る慶應大の学生は、慶応の職員になるといっている。大学の職員は給料がよくて休みも多く、志望者が多い狭き門だそうだ。
週刊現代の巻頭特集は「役人だけが幸せな国」。「役人はいつの間にか自分たちの給料だけ上げていました」「年金充実で公務員の老後だけは安泰です」「こんなに休んでこんなに福利厚生」「リストラなし、役員定年もなし」。いつもながらこうした記事を読むと、この国はつくづく役人天国だと思う。