沖縄県うるま市の会社員、島袋里奈さん(20)が行方不明となった事件で、米軍属のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者(32)がきのう19日(2016年5月)に死体遺棄の疑いで沖縄県警に逮捕された。「殺害をほのめかす供述をしているということです」と司会の夏目三久が伝えた。
島袋さんは恩納村の雑木林で白骨化した遺体で発見された。スマートフォンの最後の位置確認情報から周辺を捜査したところ、通行車両情報やコンビニの防犯カメラにフランクリンが写っていた。
藤森祥平アナが情報をまとめる。フランクリンは元海兵隊員で、現在は嘉手納基地でネット関係の仕事をしている。与那原町の自宅に日本人の妻と生まれたばかりの子がいる。「里奈さんとの面識はなかったと見られます」
沖縄地元紙は全ページ使って報道
沖縄では怒りが高まっている。「まただよ、許せない」(70代の男性)、「他人事ではない。気をつけないと」(20歳の女性)、「なんで沖縄だけと思います。国も県も動いてほしい」(50代男性)と憤る。地元紙の沖縄タイムスと琉球新報は1面から社会面までこのニュースを大きく展開し、号外も出した。
翁長・沖縄知事は「基地があるがゆえの事件が起きた。痛恨の極みだ」と語った。岸田外相はケネディ駐日アメリカ大使に「きわめて残念。日本政府を代表してきつく抗議します」と、捜査への協力と再発防止を申し入れた。大使は「心からの悲しみを表明する」と応えた。中谷防衛相は在日米軍司令官に米兵の綱紀粛正を求めた。
日米地位協定で捜査に限界
在日米軍基地の74%が集中する沖縄では、1995年に米兵3人による少女暴行事件が起きて、県民総決起大会に8万5000人が集まった。これをきっかけに普天間基地の返還が合意されたが、米軍関係者の犯罪は1972年以降でだけ検挙数5896件に上り、うち574件が凶悪事件だ。この10年間は減ってきたとはいえ、500件も起きている。
龍崎孝(元TBS政治部長)は米軍関係者に対する扱いを定めた日米地位協定の問題を指摘する。「公務中の犯行なら捜査権も裁判権のアメリカ側にあり、公務かどうかはアメリカ側が判断します。この改正を日米両政府は協議の場に乗せたことが1度もない。オバマ大統領の広島訪問を、言うことは言う機会にしてもらいたい」