舛添要一都知事に今度は政党交付金の流用疑惑が出てきた。「新党改革」の結成時に銀行から借りた2億5000万円の返済に政党交付金をあてていたのではないかというのだ。
告白したのは舛添知事の元側近だった山内俊夫(元新党改革の参院議員)で、「借金の返し方が非常に巧妙だったんです。みなさんは公私混同じゃないかといいますが、私にすると公私一体なんです」と批判している。新党改革は2010年4月に舛添氏を代表に結成され、当時、舛添氏は「自分で選挙費用は作ります」という触れ込みだったが、選挙費用は新党改革の借金になっていたことが後でわかったという。
政党助成法では交付金で借入金清算を禁止
取材した岡安弥生リポーターによると、借金は10年1億5000万円、11年に5200万円、12年4800万円ずつ返済し、3年間で完済しているが、政党交付金を返済に充てたと疑われているのは11年と12年だ。新党改革の収入は11年が政党交付金(1億1940万円)、立法事務費(1560万円)、その他収入(3900万円)の計1億7400万円。12年は政党交付金と立法事務費は11年と同額だが、その他収入が2250万円に減り計1億5770万円だった。11年に返済した5200万円はその他収入と立法事務費でギリギリ返済したという言い訳も成り立つが、12年に返済した4800万円は政党交付金を流用しないと返済できなかったはずである。
日本大法学部の岩井奉信教授は「政党の収入は議員への配分もあり、当然、返済は政党交付金に食い込んできます。政党助成法14条(政党交付金による支出の定義など)には『政党交付金で借入金の処理をしてはならない』と書いてあり、この論拠で政党交付金による借金は禁止と解釈されています」「政治資金収支報告書に借入金の返済を書くこと自体が認められていないので、違反すれば虚偽記載にあたります」と指摘する。